対話のキモは「尊重」
会話、コミュニケーション、交流とも言えますが、誰かとの対話は多少なりとも気を遣うものです。
苦手意識があるほど慎重になり、いろんなアドバイスを取り込み過ぎて更に苦手度が上がってしまう。
対話のキモは一つ。相手と自分双方への「尊重」です。
1.相手への尊重とは
相手の話をよく聞くことです。
対話が苦手だと思っている人の中には、自分が口下手だったり話題提供出来ないことを苦手の理由とする方がいますが、逆です。
相手が何を言おうとしているのか、またはどんな状態か、どんな気分なのかを知ることです。
そしてそれをそのまま受容します。良い悪いの判断をする必要はありません。
注意したいのは、「ヨイショ」や「表面上のYES」とは違う、ということ。
今日の天気はどうだろう、と思った時空を見上げるのと同じように、相手の状態を見てみましょう。
2.自分への尊重とは
相手を重視するあまり、自分を軽んじる人も少なくありません。
相手を敬うことと、自分を蔑ろにすることは同じではありません。
ただ、「自分を尊重する」というと、「好きなように振舞う」とか「わがままを通す」ことかと思って尻込みする方もいます。
私が言いたい「尊重」とは、「自分の価値観を持って、それに沿って行動すること」です。
例えば「よいパートナーでありたい」と思う場合。
相手の我儘を全てのんで自分は自由も欲求も求めず我慢し続けることでしょうか。
または、相手に自分の欲求を全て叶えてもらうことでしょうか。
<1>の相手を尊重する態度と、自分の価値観に従って行動することを両立させようとすると、おのずと「好き勝手・我儘」な要素は無くなります。
3.相手を尊重することのメリット
尊重とは、相手の言いたいこと・望んでいることを、落ち着いた気持ちで聞いて理解することです。
「理解」は「賛成」「同意」とイコールではありません。
相手の主張を理解した上で、自分の価値観を尊重し、イエスかノーを決めて相手に伝えます。
そうすることで、相手に尊重されたことが伝わると、相手はお返しをしてくれます。
いわゆる「返報性の法則」です。
≪返報性の規範(法則)≫
他者から受けた利益や好意に対して、それと同種、同程度のものを相手に返すべきであるという規範。互恵性規範ともいう。援助行動のうち、返報(返礼)行動の説明概念として用いられる。
「心理学辞典」有斐閣より
グールドナー(Gouldner,A.W.)は、人は自分を支援してくれた人を支援し、攻撃をしないであろうという仮説をあげている。その上で彼は、以前受けた援助が大きいほど、また援助が被援助者にとって報酬価のたかいものであるほどに、返報行動は促進されると仮定している。なお、自己開示の返報性や好意の返報性も、この規範に従った行動と考えられる。
4.相手を理解する時のポイント
まず、相手の話を、出来るだけ正しく理解しましょう。
話の中には、聞いていても「?」と思う言葉や要素が入っていることもあります。
分からないことがあれば、それを伝えて説明してもらいましょう。
その時、まるっと全部分からない、と言ってしまうと、話そのものを拒否されたと誤解される場合があります。
自分が分からないものは何なのか、「5W1H」で質問してみましょう。
『今の話は、いつあったこと? さっきの〇〇という件の前?』
『〇〇って用語がよく分からないけど、どういう意味?』
『〇〇って言ったのは、△△さん? それとも□□さん?』
のように。
相手の話をきちんと理解した上でノーと答えるのは拒否ではありません。自分の意見です。
そしてそれに対してどう行動するかは、相手の責任です。そこまで自分が責任を持とうとすると、対話自体成り立たなくなるし、逆に相手の立場を尊重していないことになります。
対話のキモは色々ありますから、インターネットで調べるとたくさん出てくると思います。
しかし、細部にこだわりすぎると、大事な点を見落とします。
その場の会話自体はスムーズに進んだように見えても、本当に共有したい情報が伝わっていなかったり理解されていなかったりします。
細部にこだわり過ぎず、振り回されず、神経質にならないことが対話のキモです。
興味持って読ませてもらいました。
キモって何だろうかなと初め思ったけどポイントのことでしょうか?
相手を理解する時のわからない時に5W1H なるほどと思ったです
参考にさせて頂きます。
しょこさん
読んでいただき、コメント書いてくださってありがとうございます!
すみません💦そうです、おっしゃる通り「ポイント」という意味です。
何かのお役に立てれば幸いです。