コンプレックスに向き合う

コンプレックスにどう向き合うか

コンプレックスに向き合うのは簡単なことではありません。

コンプレックス、というと、劣等感とか、ひけめとか、自分が自分に対して「ここはダメなところ」と思っている部分を思い浮かべると思います。

しかし単純に「欠点」「直したいところ」でもない、複雑な面も持っています。

自分のコンプレックスに対して、どう向き合えばいいでしょうか。

1.コンプレックスはどこから来る?

コンプレックスで多いのは容姿や外的要素が多いのではないでしょうか。
太ってる、痩せている、背が高い/低い、色が黒い/白い、体格が大きい/華奢、女らしくない/男らしくない、学歴が高い/低い、出身地、更には血液型など。

上述したような事例は、他者から見て分かりやすい「特徴」です。
分かりやすいということは、比較しやすい/されやすいとも言えます。

コンプレックスは、本来なら特徴や経歴の一つに過ぎないものが、特定の条件下で周囲と比較することで、それへの見解が複雑化することで起きる感情なのです。

2.コンプレックスが辛いのはどうして?

コンプレックスが辛いのは、そこから派生する感情がネガティブだったりそう簡単に払しょくできるものではないからです。

  • 太っていることがコンプレックス→痩せたほうがいいのは分かってる→でも食べることが好きだからやめられない
  • 地方出身であることがコンプレックス→自分も生まれた時から都会にいたら?→でも地元は好きだ。それに地方出身をバカにされるのは腹が立つ
  • 背が高いことがコンプレックス→自分では長所だと思っているのに、他人から「女のくせに」といわれると、悪いことのように思ってしまう

他者との比較や指摘がなければ、良くも悪くもなかったり、または本来は自分の長所だと思っていたはずのものを「変えなければいけない、悩まなければいけないものだ」認識を無理やり変えさせられるのです。

本当はこのままでいいと思っている自分と、「(痩せろ、などの)変えたほうがいい」という周囲の意見に同意した自分のはざまで矛盾と葛藤が起きます。

完全にストレスです。

3.コンプレックスが辛い時どうすればいい?

一番は、ただの特徴に過ぎないものを「コンプレックス化(複雑化)」してくる環境から離れることではないでしょうか。
地方出身であることを揶揄されるのが辛いのに、その集団に無理に所属している必要もありません。

また、自分の特徴・長所をコンプレックス化してくる意見を吟味して切り捨てる決断も必要でしょう。
自分の身長が高い/低いことを、良いことと思うか欠点ととらえるか、または気にしないかは完全に個人の自由です。
しかしそれを全く関係ない規範、例えば事例でいうと「女性らしさ」を持ち出して批判してくる意見は、自分にとって役に立つ考えでしょうか。
自分にとって有益だ、得をする意見だ、と思うなら、例えば小柄な男性には近づかないようにしたり、ヒールのない靴を履くようにするなどの工夫をすればいいかもしれません。
しかしそうでないなら、役に立たないものに気力体力時間コストをかけると余計ストレスです。

コンプレックスに感じている特徴の本来の価値を見直すことも大事です。
文系大卒の人が、キャリアチェンジして芸術系の学校を卒業した人ばかりの環境に身を置くと、自分が学んできたことに価値が無いように感じたり、自分が無学だ、と感じてしまった、とします。とはいえ、志があって方向転換したキャリアですから、そこから身を引くのももったいない話です。
周囲と専攻が違うことは「違い」ではあっても「ダメ」「不足」なことではありません。そもそもそれがだめならば採用されませんよね。違うからこそ見えてくる視点があります。昔その大学を選んで入学し学んだ時の自分の決断を思い出して尊重しましょう。

コンプレックスから派生する感情によって、傷ついた心をメンテナンスしましょう。
「こんなことくらいで傷つくのは自分が弱いからだ」と、自分の辛さを無視したり更に痛めつけていないでしょうか。
どんな言葉や状況で傷つくのかは、人それぞれ違います。
他人が気にしないことでも、自分が何かを感じたり苦しんだりすれは、確実にストレスなのです。

  • 辛かったね
  • 悲しいね
  • よく頑張ったね

と、自分で自分を慰めることを忘れないようにしましょう。

4.コンプレックスから得られるものはあるか

コンプレックスは、上述したように「周囲との差異、比較」で派生します。
ということは、周囲とは違う特徴ということですよね。
周囲との違いは「個性」です。

人には、自分には特徴がない、ありふれた人間だ、と嘆きつつも、他と違う部分を隠そうとする傾向があります。
特徴が無いなら、周囲と足並みをそろえやすく摩擦も起きづらいですから大きくストレス化することもありません。
周囲と違いがあって、足並みをそろえづらいから差異が気になってストレスになるのです。
それは自分しか持っていない特徴、目印、キャラクターとも言えます。

今いる場所ではコンプレックスな感情を起こす元かもしれませんが、環境が変われば活かせる長所にもなりえるのです。
そうした「武器」を持っている、と気が付ける機会ともいえるのではないでしょうか。

5.【コンプレックスに向き合う】まとめ

  • コンプレックスは周囲との比較、違いによって生まれます。
  • コンプレックスが辛いのは、自分の認識と周囲の指摘の間で矛盾・葛藤が起きるせいです
  • コンプレックスは、それを感じさせる環境から離れる/周囲の指摘を吟味し切り捨てる/特徴の持つ本来の価値を見直すことで対処しましょう。
  • コンプレックスを感じる特徴は「自分だけの個性」とも言えます。いつか活かせる機会が訪れます。

コンプレックスは、他者の指摘により発生することが多いですが、逆に他者の言葉で長所にひっくり返ることも少なくありません。
誰に何を言われるか、よりもまずは、自分が自分の特徴をどのように合理的にとらえるか、が大事ではないでしょうか。

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