健康の0次予防とうつ病対策

健康の0次予防とうつ病対策
0次予防から繋がるうつ病の1次予防とは?

1次予防、2次予防はよくご存じだと思います。3次もあります。

1次…病気にならないようにすること
2次…早期発見・早期治療により重篤化を防ぐ
3次…回復後の復帰、リハビリテーション

です。
では、0次予防とは何でしょうか。
そしてうつ病に対する0次予防として、出来ることは何でしょうか?

1.0次予防とは

「0(ゼロ)次予防」とは、「健康づくりの行動を助けるための環境づくり」を意味します。

京都大原記念病院ホームページ https://kyotoohara.jp/news/report/lecture_mitsuhashi.html

「地域、文化、経済、社会、環境要因に着目し、それを改善することで集団における病気の発生自体を減らす」対策です。

健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/kenkounippon21_02.pdf

具体的には、建築や街づくり対策など。
なので、国、地方自治体、企業などが主体となって取り組むものになります。

2.0次予防と生活はどう関わってくるか

0次予防そのものは、社会や文化といったマクロな視点からの対策になりますので、上記で記したように国や企業が主体となります。
では私たちはどうするか?
1次予防ともつながりますが、0次予防として提供されているサービスやモノを積極的に利用することで、病気を自分達から遠ざけることが出来ます。

また、こうした評価指標もあります。

<WELL認証>
人々の健康とウェルネスに焦点を合わせたビルト・エンバイロメント(建築や街区の環境)の性能評価システムです。
人の健康とウェルビーイング(身体的、精神的、社会的に良好であること)に影響を与えるさまざまな機能をパフォーマンスベースで測定・評価・認証する評価システムです。設計、建設、運用のベストプラクティスと、エビデンスに基づいた医学的および科学的研究を組み合わせ、人の健康とウェルビーイングをサポートする建築や街区の環境を評価します。

Green Building Japan hs://www.gbj.or.jp/well/about_well/

こうした考え方が広まると、働く時にも快適さを追及することが当たり前になっていくでしょう。

3.どんな場面で取り入れればいいか

0次予防そのものではないですが、既にあるサービス・制度・モノを、0次予防の視点からとらえ直してみました。

①福祉・社会保険制度

  • 健康診断+ストレスチェック
    企業で働いている人は年1回実施されるはずですので、受けましょう。ストレスチェックは、結果を人事権を持つ人に通知されないよう制度作りされています。
    「高ストレス者」と判定された場合は、出来るだけ医師との面談を行いましょう。
  • 年金制度
    転職・失業等で一時的に未納期間が出来てしまう場合がありますが、万が一うつ病等になって長く療養しなければいけなくなった時、初診日以前1年間のうちに未納がある障害年金の受給資格を失います。
    納付できなくても、全額免除・半額免除等の制度もありますので、離職する時は一度市役所に相談してみましょう。

②施設

分煙
  • 分煙・禁煙されているスペース
    自身が喫煙するかしないかに関わらず、きちんと分けられているスペースを利用することで、メンタルヘルスが保たれます。非喫煙者はもちろん、喫煙者も「ルールを守る」ことで自分の心も守れます。
  • 防音、個室スペース
    精神的に疲れている時は、静かな場所で一人になりたくなりますよね。自宅にそうした環境を持てない場合は、フリースペースやコワーキングスペースがお勧めです。大体1時間で500円前後です。周囲は仕事をしている人が多いので、カフェなどより煩わしさは少ないです。
  • 階段
    健康体力保持のため、エレベーターやエスカレーターは必要な時だけに限定します。特にエレベーターは、車いすやベビーカー、大きな荷物を持っている人が優先して使えるように促している施設も多いです。
  • トイレ
    最近は公共のトイレもかなり清潔で快適になりました。用を足すだけでなく、気分が悪くなった時などの緊急時のために、自分がよく行くエリアのトイレの設置場所をチェックしておくことは大事です。非常用ボタンが付いている個室は更に便利ですね。

③道具

耳栓
音を遮断
  • 耳栓、イヤホン
    近年注目されているHSP(Hyper Sensitive Person)の方だけでなく、疲れている時は周囲の音や人の声に過敏になります。
    その場からすぐに離れられない(電車の中など)場合には、耳栓やイヤホンで、音を遮断しましょう。
    ただし移動中は音が聞こえないことは逆に危険なので、外しましょう
  • SNSの限定機能
    Twitterの「カギ」やInstagramの「非公開」機能など、自分が許可したアカウントだけに表示されるようコントロールすることで、メンタルを守ることを心がけましょう。
    また「ブロック」「ミュート」等の機能を使うことで、自分が過敏に反応してしまうワードやアカウントを目にしないように設定することも出来ます。

④その他

施設や道具などだけでなく、メンタルヘルス対策としては「つながり」「将来的な不安」への対策も可能です。

  • あんしんカード
    自宅で具合が悪くなり救急車を呼ぶ「もしも…」のとき、又は災害時の安全と安心を守る取り組みとして地域ごとに実施されています。詳細はお住まいの地域の社会福祉協議会などへお問い合わせください(地域によって名前が違うようです)。
  • 地域のコミュニティカフェ
    子育て、介護など、家族の問題は家族の中で抱え込みがちです。地域主宰のテーマ別の集まりに参加することで、同じ悩みを持つ人と繋がることが出来ます。
  • 遺言
    将来親や自分、伴侶が亡くなった時のための対策として有効です。遺言は自筆・公正・秘密と3種類ありますが、そんなに難しいものではないし、法的な効力を持ちます。法テラスなど、無料で相談できる窓口もあります。

特に0次予防として準備されたものではありませんが、あえて健康のために利用しようと考えることで、使い方が変わったり、自分とは無関係だと思っていたものがメリットのあるサービスであることに気が付きます。

特に国が行う施策は、作っただけで中々告知してくれません。
折角税金で準備されているものなのですから、有効活用して自分と家族の健康とメンタルを守りましょう。

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