ストレッサーと出会ったとき、どこにストレス反応やサインが出るか、も人それぞれ違います。

ストレス反応は、体からのSOSです。上述したように心は自分に対して正直に反応出来ない仕組みになりやすいですから、辛い時ほど体からのSOSを頼りにすべきだと思います。

ストレスが溜まってきた時、自分はどこにサインが出やすいか、を知っておきましょう。

チェックしていただきたいのは以下の5項目です。

①睡眠

睡眠はまず「入眠困難」が挙げられます。明日仕事なのに布団に入っても眠くならない。次に「中途覚醒」。まだ起床時間じゃないのに途中で目が覚めて眠れなくなる。そして「早朝覚醒」。6時に起きればいいのに4時頃目が覚めてしまいそのまま朝を迎えてしまう。

どれか一つと言う場合もあれば全部混在してほとんど眠れない、と言うこともあるでしょう。
眠れるようにするために寝酒をする人もいますが、アルコールは逆に睡眠の質を下げます。習慣化すれば肝臓や血液にも悪影響を及ぼします。

②食欲

食欲は、食べられなくなるケースと食べ過ぎるケースがあります。1~3ヶ月のうちに5㎏以上増減するとしたらかなり危険です。

普段からあまり食べない人だと、食べられなくなっても家族も気づきづらいです。また間食も量を決めている人は少ないでしょうから、後から「最近食べ過ぎ?」と気づくことが多いでしょう。

痩せたか太ったか、が問題ではなく、「いつもと違う食習慣になっている」と気づくことが大事です。

③イライラ、怒り

ストレスを感じると脳が「闘争・逃走モード」になります。危険を回避しようとするのです。

命を守るためには有用な能力ですが、現代社会ですぐに「闘争・逃走モード」を発動しなければいけないほどの命の危険を感じるのは稀です。

普段なら気にならないことにイライラする、家族や親しいひととのケンカすることが増えた、「ムカつく」「○そったれ」のような捨て台詞が増えた、としたら、それもサインの一つでしょう。

④不安、焦り

同様に「闘争・逃走モード」の発動で高まるのが焦りや不安です。

一事が万事、のように、ちょっとしたズレや違いが「もしこの後○○な状況になったら私のせいだ、どうしよう…」と考えてしまう。または「こんなことしていていいのだろうか、手遅れになるのでは」と焦りを強めて必要な準備や確認を怠ってしまう。

謙虚な人や生真面目な人、特に女性に多いように思われます。「○○でなければ」という認知が自分にばかり向いてしまうせいで、必要以上の不安を感じるようになります。

⑤集中力の低下

集中力が落ちるのもストレスサインの代表例です。

人が集中力を持続できるのは大体30分、長くて60分と言われています。しかしそれも十分な睡眠、休養、栄養が取れている状態であれば、です。夜ほとんど眠れず、気になることがいくつもあれば、目の前の作業や仕事に集中出来なくてもおかしくありません。

いつもならやらないようなミスが続いたり、ヒヤリハット(重大な災害や事故に直結する一歩手前の出来事のこと:ワークフロー)が立て続いたらケアが必要です。

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