過去に囚われ続けて
しまう理由は?
惠然庵 にしおか
過去の出来事を変えることは出来ないと分かっていてもなお、過去に囚われてしまうのはどうしてでしょうか。
3つの理由が考えられます。
一つずつ見ていきましょう
ご案内役
Ⅰ.「忘れたい」が強すぎて、振り返りが出来ていない
振り返る作業は、一から起きたことを辿り直すことです。
それは一度見た映画をもう一度見るようなものです。
しかも自分が二度と見たくないような場面があると分かっていて見返すことになります。どうしてもやらなければいけない理由がなければ、避け続けてしまっても仕方がありません。
しかし振り返りをしないことで、見落としていた事実に気づかず、事実誤認したまま間違った形で記憶に残ってしまい、そのせいで「忘れられない嫌な記憶」になっている、という可能性もあります。
Ⅱ.事実より感情が優先されて記憶に残っている
忘れたいのに忘れられない記憶とは、強烈なネガティブ感情とセットです。
不安、恐怖、怒り、恥、悔しさ、自己否定感など。
出来るなら感じたくない感情ですし、思い出すたびに再体験してしまいます。
その感情と事実がごちゃまぜになって、冷静に振り返ることが出来なくなってしまっています。
Ⅲ.「良い経験になった」と思い込もうとし過ぎている
失敗や苦い体験は「勉強」「学び」の素だ、ともいわれますが、全ての苦い体験に学びが含まれるわけでもなく、万人に適用される法則でもありません。
乗り越えるためには「辛かったけど体験して良かった、と思わなくてはいけない」と考えてしまうと、辛い気持ちが置き去りになるため、拒否感が拭えません。
やり残した宿題のように、自分の中に「触れたくないもの」として残り続けてしまいます。