相手に変わって欲しい時の6つの視点

相手に変わって欲しい時の6つの視点

「自分は変えられても相手は変えられない」
とは、よく聞くと思います。
正確に言うと、「自分も相手も変えるのは難しいけれど、より難しいのは相手を変えること」だと思います。
とはいえ、人間は社会の中で生きているのですから、全ての状況を改善する時にいつでも自在に自分を変えられるわけでもないし、相手が変わるほうが理に適っている場合もあります。

相手に変わって欲しい時、相手の考えや心を変えるのではなく、「変わろう」と思ってもらうことは可能です。
その時に使えるものは、「自分の行動」「環境」「道具」「メリット提示」「時間」「伝え方」の6つです。

1.自分の行動を変える

相手に変わって欲しいと考えている部分に直接作用するこちら側の行動を変えてみましょう。
うつ病の家族を支える人は、なんでもやってしまう習慣があります。それを止めてみる、というのはどうでしょう。

例えば、うつ病で家にこもりきりの家族に、時々でいいので外出して欲しい、と考えた場合。
本人が外出せざるを得ないように行動しましょう。
回覧板は回さない⇒回してもらう、月曜日のゴミ捨てはやらない⇒捨ててもらう、本人の嗜好品を買わない⇒自分で買いに行かせる、など。

2.環境を変える

自分が望む「相手が変わった状態」を想定し、それに必要な環境を整えてみましょう。

<1>と同じく「時々でいいので外出して欲しい」ケース。
思い立った時に外出できるように、着替えやすい本人の服を用意して目に付くところに置いておくとか、時間帯を限定せず、本人が出掛けたい時に送り出す(もう夜だから明日にしない?とか言わない)とか、一目を気にして出られない場合、人が少ない時間帯や場所を事前に確認して伝えておく、などがあります。

3.道具を使う

形から入る、という方法ですね。<2>もそれに近いです。

以前、「ポケモンGO」が流行った時に、モンスターを手に入れたくて、長年部屋に引きこもっていた人が外へ出るようになった、という話を聞きました。
本人が外出する理由になるようなツールや道具を一緒に探すのも楽しいかもしれません。

4.メリットを伝える

「~すべき」で相手を変えることは出来ません。分かっているけど出来ない・やらない理由があるからこそ、こちらが望んでいる行動を取らないのですから。

しかし、メリット・利益があると分かれば気持ちは動きます
これも、こちらが考えるメリットではなく、本人がメリットだと思えるものである必要があります。

事例の「時々でいいので外出して欲しい」場合は、外出そのもののメリットや、外出することで得られるメリット、例えばご褒美がもらえる、などですね。
大人に対して「ご褒美」というのも変ですが、行動療法に「トークンエコノミー」という方法があります。スーパーのスタンプカードのように、〇〇したら△△がもらえる、というルールを設けることで、好ましい行動をう学習していくのです。

5.待つ(過去に成功事例がある場合)

家族であれば、今まで相手がどのような行動を繰り返してきたかはよく分かっています。
「うつ病になってからは以前と違う」という場合は、まず今の行動パターンを観察しましょう。
その上で、どのように物事を感じ取り、認識し、判断し、行動し、振り返るか、を確認します。何パターンもあるかもしれません。
観察する中で、『そのうち変わる』可能性がある場合は、無理にこちらが動く必要はありません。
本人の判断に任せていれば、こちらが望む状態に変わってくれるでしょう。
その場合は100%を期待せず、6~7割でOKだと思っておくと気が楽です。

6.「Iメッセージ」で伝える

≪アイメッセージとは≫
アイメッセージとは、「私」を主語にして相手の行動を促すメッセージです。
相手の行動により「私」がどう感じるのかを言葉で表現することにより、相手が自主性を失わず承認に結びつけるテクニックの1つです。

「アイデム人と仕事研究所」より抜粋

 人と話す時、特に相手に何か取って欲しい行動がある場合、「あなたは~ではなくて-をしてくれないから…」と、相手を主語に話してしまいがちです。
 行動を変える主体が相手なのだからそうした話し方になるのは無理ありませんが、言われている側からすると、自分の間違いを指摘されているような、責められているように感じる場合があります。

「アイメッセージ」を使い、「私は~~だと考えているから、あなたには――をして欲しい」と伝えるほうが、言われる側も「してあげる」気分になり、取り掛かりやすくなります。


相手に変わって欲しい時、コツは「相手の立場」になることです。
立場とは、相手が置かれている状況、今まで過ごしてきた環境や歴史、相手の特徴(長所・短所・苦手なこと・特技)、相手の考え方を考慮した上で、無理し過ぎず飲み込める方法や形にして伝えましょう。

「あなたは変わらなければならない」と言われて、うん、という人は皆無です。正論や「~べき」がこれに当たります。
急ぐ必要もありません。相手には相手のペースがありますから。

相手の立場になることは、相手を尊重することです。
尊重されていることが分かれば、ここでも返報性の法則が働いて、こちらの要求を受け入れる土台が、相手に出来上がりやすくなります。

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