捉え直して
何が得られたか
過去を捉え直すことで得られるものは、大きく3つあります
忘れたかった過去への執着が弱まる
この場合の執着とは「忘れなければいけない、思い出してはいけない、考えてはいけない」という自分に対する強制です。
忘れようと頑張ることと、忘れないようにしようと頑張ることは同じ行為です。
なぜなら「何を?」を考えた時、その記憶が必ず呼び起こされるからです。
忘れなければ、と思うのは、そこに傷ついてこだわっている自分がいるからです。
そのこだわりが弱まれば、「忘れられたらラッキーだけど、別にどっちでもいいや」というレベルにまで格下げされます。
すると、気が付けば思い出すことが減っていきます。
自分の認識だけが全てではないと気づく
主にリフレーミングの効果ですが、新しい視点を得られることで、自分が感じたり考えたりしたことだけが絶対唯一ではないことに気が付けます。
事例から引用しますと、「余裕がなかったのは自分だけではない、相手もそうだったのかもしれない」と気づくことが出来ます。
また、その場ですぐに返事をしなければいけない、というのも一方的な自分だけの認識ですよね。
急ぎの用件でなければ、後で相談しよう、という、イエスでもノーでもない第三の提案も可能だったでしょう。
本当はどうしたいのか、に気づく契機になる
ネガティブ感情や、それを引き起こす要素を避けたいと考えるのは人として当然の反応です。
しかし避けたいもの以上に「得たいもの」「目指したいもの」を持っていることがあります。辛い過去と向き合いネガティブ感情を受け容れても手に入れたいものは何でしょうか。
事例から引用しますと、「自分は器の小さい、余裕の無い人間だ」と考えて落ち込んでいます。そしてできればそう考えることを避けたいと考えています。
しかし本当にしたいことは、「自分の器の小ささに気づきたくない」ことではありませんでした。自分が限界を超えて無理をしてしまうことを避けて、大事な家族との生活を守りたい、というのが本当の望みだったのです。
そこに気づくことが出来た時、自分の狭量さと向き合うことそのものは問題ではなくなります。
「どうすれば家族と労り合って今の生活を続けることが出来るか」に視点がシフトします。