周りが敵に見えるとき
周りが敵に見えるとき、それは同時に自分のことも責めてしまう辛い体験です。
自分の努力が報われない、評価してもらえない、自分の存在を受けれてもらえないと感じてしまう。
そうした辛い体験への対処に必要なポイント4つをご紹介いたします。
目次
周りが敵に見えるときの心理状態
周囲に対しては不安や恐怖、孤独感もあるかもしれません。
人には「所属の欲求」があります。社会的なつながりや愛情的な関係を求めるものです。友情、家族との絆、愛情的なパートナーシップ、コミュニティへの帰属感などが含まれます。
単純に「愛されたい・大事にされたい」というだけでなく、集団でいることで協力し合って不測の事態に対処するためです。
しかし周囲を敵とみなしていては、何かトラブルが起きても自分と協力してくれる可能性は低いのでは、と思ってしまいます。
そればかりか、場合によっては除外されるのでは、真っ先に切り捨てられるのでは、とも考えます。
そしてどうしてこのような状況、心境になってしまったのか、という怒りも湧いてきます。
自分の仲間が無い、と、孤独感も感じてしまうでしょう。
周りが敵に見えてしまう、その理由が特にないからこそ、対処のしようがなく、ただ耐えるしかないと思ってしまいます。
≪参考サイト≫ こころの耳(厚生労働省)『部下の話を聴けていますか -傾聴のすすめ-』
自分自身を責めてしまう
普通に考えれば周り中が敵、ということはありえません。
それでも当人の心の中でそう思ってしまえば、不安や恐怖、疎外感、孤独感は現実として存在します。
理由は分からないのに感情は感じる。
その感情から解放されたいのに、理由が分からないから逃れる方法も思いつかない。
行きつく先は自己批判です。
「よくわからないけど、きっと自分が悪いのだ」
と、「仮」の原因を自分に決めてしまうのです。
すると、そこからは怒涛の反省、批判、罪悪感、後悔が襲ってきます。
周囲が敵に思えてしまうことによる不安や怒りに追い打ちをかけるわけですから、長く続けばそれだけメンタルが損なわれていってしまいます。
こちらも読まれています! 惠然庵コラム『自責思考から抜け出すヒント』
「敵だらけ」の状態を解消する方法4つ
自分のホームに戻る
周囲が敵だらけ、と感じるなら、そこは「敵地」なわけです。
でしたら、自分の「ホームグラウンド」へ戻りましょう。
現実の家、自宅ということもあれば、自分が安心できる人たちの集団へ戻ることもありますし、心が安心できる状態を保つことも「ホーム」といえるかもしれません。
「敵」認定してしまう要素を分析⇒要素を減らす対策へつなげる
どんな時に「周り中敵だらけ」と感じてしまうか、を分析することも必要でしょう。
電車の中、飲み会、サークル、職場、町内会、または家族、友人など。
例えば「昔の自分」を知っている人に囲まれていると周りがみんな敵に見えてしまう場合、「昔の自分」がどうだったか、その時何があったか、に、解決策のヒントが隠れているかもしれません。
自分側の異常に気付く(ストレス状態)
周囲が敵に見えてしまうのは、本当にこちらを攻撃したり阻害しているわけではないのに、極度なストレス状態にあるせいで普通のコミュニケーションや言動に過敏に反応してしまっている、という場合もあります。
例えば仕事上の理由で隣の席の人には声をかけたのに、自分には何も言わずに通り過ぎた場合。
過敏になっていると「自分は嫌われている、話しかけたくないと思われている」と判断したりしますが、ただ単にこちらに用が無かっただけ、という可能性は高いです。
ストレス、疲労、健康状態などをチェックしてみましょう。
「敵」を減らす
逆に「敵ではない」とはどんな状態か、を考えてみましょう。
積極的に褒めたり励ましたり声かけしたり集まりに誘ったりしてくれる人でしょうか。
確かにそういう接し方をしてくれる人はありがたいですが、そんな人ばかりとは限りません。
冷静に「敵」と「味方」を対比してみることで、実は「敵」はほとんどいないことに気づけるかもしれません。
こちらも読まれています 惠然庵コラム『嫌われるのが怖いと思うとき』
周りが敵と思ってしまう自分を受け容れる
本来自分の周囲にいる人というのは、家族や友人知人、同僚など、自分を理解し協力してくれる人です。
そうした人たちを「敵」と感じてしまう状態が一番辛いのは自分自身ですよね。
その辛さが更に余裕を無くしていきます。
まずは自分の今の状態を受け容れましょう。
敵に見えるのは、何かから自分を守っているから
人は不安や脅威、恐怖に過敏です。
当然ですよね、これらが自分に被害を与えるなら、前もって遠ざけたり防御します。
自分が弱っている時は、様々なものが脅威に見えます。
本当は脅威ではないものまで、避けたり遠ざけたりして防御しようとします。
理由は「自分が弱って傷ついているから」です。
であれば、怯えている自分を受け容れて、弱っている部分(心)を癒しましょう。
少しの脅威も許せないほど余裕がない
「背に腹は代えられない」とか「土俵際」なんて言葉もあります。
もうどうしようもないほど追い詰められている状態です。
敵ではないかもしれない人を敵認定せざるを得ないほど、余裕がなくなっているのです。
では、どこに余裕を作れば、不必要に周りを敵とみなさずに済むでしょうか。
第一は健康です。もしもの時に踏ん張るためには体が元気である必要があります。
次に時間です。休憩や見直しをする時間も無いほど忙しい状態はそれがすでに脅威です。
もう一つは選択肢です。「背に腹は代えられない」とは選択肢がない時の発想です。AがダメでもBとCとDがあるから、と思うことで心の余裕が生まれます。
周りを敵と見る自分を受け容れることと、不快な状況を受け容れることは同じじゃない
周りが敵と自分を受け容れるということは、現状を受け容れることに繋がります。
現状を受け容れる、ということは、自分が「許せない・受け容れたくない」と思っている状況を受け容れることになり、自分が譲歩する、信条に反することをする、と解釈してしまうことがあります。
しかし違います。直結しません。
実際に自分の信念を曲げざるを得ないかもしれませんが、一時的です。
自分を受け容れる→状況を観察する→問題が見つかる→問題解決に取り組む
という流れを作るための手段に過ぎません。
環境やタイミングのせい
周りを敵と見ることそのものを自分の力不足・器量の小ささと考えて自己評価を下げてしまうかもしれませんが、果たして自分だけが原因でしょうか。
環境要因や、タイミングも影響します。ご縁という言い方をする人もいるでしょう。
「電柱が高いのも、郵便ポストが赤いのも」全部自分のせいと考えるのをやめましょう。
うつ病とハラスメントは要注意
周りが敵に見えてしまうのは、見方の問題だったり自分の抱えている他の問題が影響していることもありますが、長く悩み続ければうつ病など追い込まれた状態を招きかねません。普段と違う状態が2週間続いたら、医療機関を受診しましょう。
また、ハラスメントなど、本当に危害を加える存在がいる可能性もゼロではありません。
今は管理者向けにハラスメント防止のためのセミナーがあちこちで開催されているので、パワハラやセクハラについての知識も広まっていますが、それは一般社員も同様に知っておく必要があるでしょう。
ハラスメントだった場合は自分を責めるのではなく、しかるべき社内外の機関や専門家に相談しましょう。
≪参考情報≫ こころの耳(厚生労働省)『職場のパワハラ・セクハラなどに関する相談』
こちらもご参照ください
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