心の温め方
日を追うごとに少しずつ寒くなっていきますね。
本当に少しずつだから、実は自分が冷えていることに気づかなかったりします。
体の寒さは、オフィスや電車などの暖房でカバーできる場合もありますが、
心が冷えている時は、自分が気づいて自分が温めなければ冷えっぱなしです。
体だけでなく、心にとっても冷えは大敵。
では、どう怖いのか、どこで気づけるのか、どうすれば温められるのか、を考えてみましょう。
1.心の冷えはなぜ怖い?
心が冷えるとか、それまで心の中にあった何かが無くなって空間が出来ている時に感じやすいです。
会社を退職した、友人と疎遠になった、恋人とお別れした、ペットや家族と死別した。
こんな大きな出来事ではなくても、ずっと読んでいた漫画の連載が終了したり、前から楽しみにしていた予定がキャンセルになったり、お気に入りのお店が閉店した、といったような変化でも、心に空間が生まれます。
出来た空間を別のものや誰かを受け容れることで埋められれば、寒さを感じることはないでしょう。
しかし長年親しんだものだったり、願い続けていたものの穴はそう簡単に代理も見つかりません。
空間は喪失感と名前を変え、更に時間が経つことで無力感、孤独感へ変質していってしまいます。
2.どこで冷えていることに気がつく?
<1>で挙げたような事例なら、事前に心得ておくことで、発生後に注意することが出来ます。
しかし、木の葉の色がゆっくり色を変えていくように、気がつかないうちに空間が少しずつ広がっていくケースだと、自覚することが困難です。
心の変化は徐々に行動に現れます。
- 以前より何もしない時間が増えた
- 以前よりスマホを見る時間が増えた
- 以前よりお金が減らない/余計な出費が増えた
- 特別なことは起きていないのに、痩せた/太った
など。
無意識のうちに心の空間を埋めるための行動をとっているのかもしれません。
3.どうすれば温められる?
「心を燃やせ」というフレーズが昨年日本を席捲しました。
燃やす、という程激しいものである必要はありませんが、心を温める、とは、どうすればいいでしょうか。
①まずは体を温める
物理的に温かさを感じることは大事です。
厚着をしたり、部屋を暖めるのは勿論、体の中から温めましょう。
熱い飲み物、温かい食べ物のほかに、長い目で見て体の代謝を上げたり基礎体温を上げてくれる飲み物や食べ物があります。
適度な運動も大事です。しかし普段から運動の習慣が無い人がいきなりランニングしたりするとストレスや身体疲労を増す害が大きくなります。
簡単なストレッチなどから始めましょう。
②現在の行動を見直す
新たに何かを加えるより先に、今の自分の生活習慣や行動を見直してみましょう。
<2>であげたように、無意識にスマホを操作する時間が増えているのだとしたら、その時スマホで何をしているのか、を考えてみましょう。
ゲームばかりしているなら、電子書籍と置き換えてみる、友人からのLINEの返信を待ち続けるなら、無料のチャットグループに参加してみる、など。
衝動買いが増えているなら、衝動で買ったものを並べて、それの使い道を色々考えるのもいいでしょう。
③オキシトシンの分泌を増やす
「オキシトシン」とは別名「愛情ホルモン」と呼ばれ、スキンシップによって分泌され、抗ストレス作用があります。
家族、友人、恋人とのスキンシップはもちろん、ペットとの触れ合いも、ぬいぐるみを触ることでもOKです。
自分で自分の身体を触ることでも分泌されます。しんどいなー、と感じたら、自分で自分の肌を直接触りましょう。袖をまくってひじから先をさするうちに、少しずつ気持ちがおだやかになっていきます。
④コミュニケーションの回数を増やす
難易度が高い、と感じる人もいるかもしれません。
ただし、新しい友人を作れ、とか、恋人を作れ、というのではありません。
自分のアクションに対して反応してくれる人を増やす、という意味です。
SNSの発信でもいいし、会社ですれ違う人みんなに挨拶をするのでもいい、誕生日が近い知人に『おめでとう』とメッセージを送るのもいいでしょう。
目上の方にはお歳暮という口実があります。縁遠くなっていた人が相手なら、高価なものよりちょっとした挨拶品のほうが先方も気を遣わずに済みます。
誰か特定の人に対してアクションした、という実感が、心を温めてくれます。
心に空間が出来ているとき、というのは、実はチャンスでもあります。
今までやりたくても出来なかったことに挑戦する時間と気力が出来た、とみることが出来るからです。
大事なのは心が冷えることで思考が固くなり、行動が狭まること。
それは将来の可能性も狭めてしまうことです。
これからもっと寒くなり、冷えを実感することが増えるでしょう。
心の冷えは一瞬では解消されません。
今のうちから自分に出来る温め方は何があるか、チェックしておきましょう。