メールカウンセリングの回答事例をご紹介します。
(事例のため、内容は編集を加えております)

事例1:上司についてのお悩み

40代、男性

人間味のないどうしようもない上司のおかげで今まで築いてきたものが崩壊されそうです。自分としての今後の道をどう進むべきかまた上司にどのようにいうべきかをアドバイスくださいませんか
事務所につくと机に座る間もなく上司に呼ばれてこの書類の文章はなんだなってないそんな細かいところからこんこんと毎朝一時間は叱責の日々が続き出したのです。
なぜ私だけが𠮟られるのだろうかわかりません。
何が原因かわからないのです。
上司には今はなぜか会社にいける状況ではないのですと言いましたが、何を考えている自分の仕事に責任をもち明日出てこいとの指示でした。どうすればいいでしょうか?

カウンセラーからの回答

惠然庵代表カウンセラー 西岡
惠然庵 西岡

ご相談いただきありがとうございます。
強引な上司に仕事のペースを乱されて、細かく口を出されてとても苦労していらっしゃるのですね。
頑張って出社したのに、一時間も叱責が続いたら、モチベーションどころか健康も害してしまいそうですね。しかもその原因が分からないというのもお辛いとお察しします。
既に出社できない状態にまで追い込まれているのですね。しかし全く理解してもらえないのでは、どうしたらいいか分かりませんよね。

ご相談内容としては、

  • 自分は今後どう進むべきか
  • 上司にどのように対処すべきか

に悩んでいらっしゃる、ということでよろしいでしょうか。
「今まで築き上げてきたものが崩壊されそう」とのことで、切羽詰まった苦しさが伝わってきます。
ご自身の身についたスキルや経験だけでなく、会社の中で培ってきた信頼や人間関係なども含めてですよね。
以下にいくつかご提案をさせていただきます。


  1. 休養を取る
  2. 他部署に相談する
  3. 労働環境に関する法律相談
  4. 退職・転職
  5. 第三者への相談

提案①休養を取る

既に出社できなくなっていることが、喫緊の問題ではないでしょうか。
今の状況がどのくらいの期間続いているのか、出社できなくなってしまってからどれくらい経つのかはお書きになっていらっしゃいませんが、もし数週間、数カ月と長期にわたって続いているようでしたら、出来るだけ早めの休養その環境から離れることをお薦めします。
会社を休みながら収入補償を得るためには、
①傷病手当金
②労災保険
の2つがありますが、2は時間と手間を考えると負担が大きいです。
4日以上連続で欠勤しなくてはいけない状態が続いたら、病院へ行って診断書を書いてもらい、休職することで傷病手当金が支給されます。
期間は最大1年6カ月、平均給与(過去12カ月の平均)の60%が支給されます。

職場から離れるというのは非現実的に思われるかもしれませんが、お話を伺う限り、ここで無理をすると適応障害やうつ病等に発展しかねない状況では、と心配になります。
うつ病になってしまうと、少しの休養や服薬では回復しません。早い段階でご自身の心身を守ることを優先してください。

提案②他部署に相談する

会社の規模にもよりますが、ご自身の所属部署以外にもいろんな部署や担当者がいると思います。
まずは現時点での状況を、人事部などにご相談することは可能でしょうか?

  • ご自身の状況(出社しようとするとどんな状態になるのか、無理に出社した場合どうなるのか)
  • 欠勤を申し出た時の上司の返答と、それに対して自分がどう感じたか

など、ご自身の状況を中心に話を聞いてもらいましょう。
場合によっては病院を受診し、診断書を持参して相談することも効果的です。
体調不良で欠勤を申し出たにもかかわらず無理に出社を強いることは、「安全配慮義務違反」に相当するケースもあります。要するに法律違反です。
問題の上司は安全配慮義務違反と言われてもピンと来ないかもしれませんが、人事部等の専門部署であれば、その重要性を理解してくれるのではないでしょうか。

提案③労働環境に関する法律相談

また「上司にどのように対処すべきか」ということですが、まずはご相談者様が「どうしたい」とお考えでしょうか?
部下の立場から上司の態度を改めさせるというのは、正直かなり難易度が高いことだと思います。相手が間違っていたとしても。
しかし、上司の態度を変えさせるために、ご相談者様が無理をして自分を曲げたり相手に合わせることも、難しい上に益がないと、私は考えます。

もしご相談者様が、問題の上司に正面から対処したい、とお考えであれば、例えば労務問題に詳しい法律家に相談してみては如何でしょうか。
先述の安全配慮義務と併せて、ハラスメント等の問題を含んでいれば、法的に訴えるという手段もなくは無いと思います。
「法テラス」(https://www.houterasu.or.jp/)という無料相談も可能な国運営のサイトもありますのでご一読ください。

提案④退職・転職

ただ、やはりそれは時間と体力、特に精神的な負荷がとても大きいと思われます。
診断書を提出した上で休職、叶うなら他の部署への異動願いを出す、そうでなければ転職も視野に入れることをお薦めします。
退・転職となれば、生活に影響が出る可能性があります。同居のご家族がいらっしゃるなら、ご家族とも一度相談してみましょう。

提案⑤第三者への相談

まだ転職を考えるほどではない、とのことでしたら、辛さを誰かに聞いてもらうのも有効です。
職場の事情をよく知る同僚や他部署の上司、ご家族、カウンセラーでも結構です。

第三者からの同意や共感を得ることで、自分に自信がつきます。
同じ経験をしていた人から、体験談を聞くことも出来るかもしれません。
全てではないにしても、今後の対応策のヒントになるようなアドバイスがもらえるかもしれません。
また、人に話す、という作業を経ることで、感情や思考が整理され、一人で考え込んでいた時には思い浮かばなかったような案が出てくることもあります。自分が本当にしたかったことが思い浮かんだりもします。

人に話すのが辛ければ、日記でもいいでしょう。文字にして、書き終わってから読み返すと、自分の思考を客観視することが出来ます。そうすると頭で考えていた時とは違う考えが出てくるかもしれません。


ご自身の仕事の進め方を振り返るのも大事かもしれませんが、お話を伺う限り、環境の側に問題がありそうです。
ご自分に非がある状況以外で、過剰に自分を責めることはしないでください

睡眠はとれていますか?
食欲はありますか?
休日は、仕事を忘れて好きなことを楽しむ余裕はありますか?

もしこの3つが出来ない状況が2週間以上続いているようなら、少しでも早く休息を取ることをお薦めいたします。
今の会社でのキャリアだけが「キャリア」ではありません。
仕事以外の時間、他の職場での可能性も含めて、ご自身を大事にしてくださいね。
応援しています。

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