恋人が精神障害だったら
うつ病、発達障害、統合失調症。
恋人、好きな人、パートナーが精神障害者だったら、どうすればいいでしょうか。
1.その障害名は、本人から聞いたものか
うつ病をはじめとした精神疾患・精神障害の名前が広く知られるようになりました。
しかし、正しい知識が広まっているか、というと微妙です。
とある障害・疾病の特徴的な部分だけが拡大解釈され、少しでも近い状態を見つけると「あの人は○○障害」と決めつける人も少なからずいます。
精神疾患や精神障害は、診断基準に沿って医師が診断します。
医師以外の人やインターネット上のアンケートなどで決定するものではありません。
もしかしたら恋人が精神障害では、と思うことがあっても、決めつけてしまわないよう注意しましょう。
2.付き合いが始まってから病気になった
うつ病や適応障害、統合失調症などは過度なストレスなどからいつなってもおかしくない病気です。
交際が始まった頃はそうではなかったとしても、仕事や周辺環境の変化、過労などで病気になる可能性は十分にあります。
病気ではなかった頃のその人をよく知っていて好きになった場合、病気になって少なからず言動や性格が変化すると戸惑ったり不信感をいだいたりしてしまいます。
その変化が病気・障害のためだった、と分かれば納得できるかもしれませんが、それまでの間で一人で悩みを抱えてしまうかもしれません。
また、病気だと分かった後も、それ以前の状態と比較してしまいます。
病気ではなかった時を知っていて、その時に好きになったのですから当然かもしれません。
病気になったことが悪いわけでも、無理にポジティブな意味としてとらえる必要もありません。
「今の彼・彼女は病気なのだ」と言う事実を受け入れるまでには、どうしても時間が必要でしょう。
3.恋人が精神疾患・精神障害の時に気を付けること
①むやみに怖がらない
精神疾患・精神障害に対するイメージは、残念ながら明るいものではありません。
ニュースは平均値を知らせるものではありません。データの中の特異値を拾い上げて人目を集めるような表現をすることも少なくありません。
ですから、今までそうした病気に関わることなく過ごしてきた人が、一種の色眼鏡で見てしまうことは仕方がないと思います。
しかし、そうしたショッキングなニュースや情報と、自分の恋人を混同して必要以上に病気を怖がらないでほしいと思います。
どちらかというと精神疾患の人は攻撃的というより臆病で過敏になっています。攻撃的な言動もその裏返しであることが多いです。
もし恋人の病名が判明したら、ショッキングなニュースや噂話ではなく、正しい知識を得るように心がけてください。
②相手の言動でショックを受けたら我慢しない
上述したように、通常時よりも神経が過敏になっているため、ケンカになりやすくなったりきつい言葉が増える可能性はあります。
言われた側も人間です。相手が病気で辛い思いをしていると分かっていても、傷つかないわけではありません。
それでも「○○病のせいなんだから」と傷ついたことを押し隠してしまう習慣がつくと、逆に相手から心が離れていく原因にもなります。
もちろん感情に任せて「目には目を」と同じくらい強い言葉を投げつける、ということではありません。
「今○○って言ったけど、それに私は傷ついた。それは~~だから」
のように、「Iメッセージ」で辛い気持ちを共有しましょう。
③一緒にいることが辛くなったら別れてもいい
相手が病気になったら、「私が支えてあげなくちゃいけない」と自己犠牲の塊のようになってしまいがちです。
支えてあげたい気持ちはとても大事です。それがあるから本人は頑張って今日を生きることが出来ているのかもしれない。
けれど、自分にも人生があります。
相手の精神疾患込みでこの先何十年も一緒にい続けることが出来る覚悟が出来なければ、そして愛情が冷めてしまったと思ったら、お別れするのも一つの道だと思います。
恋人に去られるのは病気関係なく辛い体験です。もしも、を懸念してしまうかもしれない。
それなら、自分以外の関係者にその後を託しましょう。家族、友人、主治医、カウンセラー、ソーシャルワーカー、職場関係者などです。
恋人関係は拘束力のない個人間の私的関係です。その不安定さがマイナスだと思うこともあるかもしれませんが、逆に言えばお互いに自由ともいえるのです。
4.恋愛で大事なものは同じ
恋人が精神障害だった時、これだけはNG、というものがあります。
- 共依存
- 自己犠牲
- 上下関係
- モラルハラスメント
- DV
どちらからでもダメです。これになりそうになったらすぐ別れることをお勧めします。
逆に必要なものは何でしょうか。
- 相互理解
- 対等性
- 自立
- 相手への尊敬
これもお互いが目指すものだと思います。一方通行ではNGな状態へ繋がっていきます。
こうして見てみると、精神障害の有無は関係ないですね。
結局、恋愛する上で必要なものは同じなのではないでしょうか。