辛さを自覚して自分を大事にする
生きていれば、楽しいこと嬉しいことがあれば辛いこと苦しいこともあります。
むしろ、後者のほうが多いと感じるでしょう。
なのに、辛いことを辛いと言えない、それ以前に自覚することが出来ない人がいます。
辛い気持ちを自覚出来ない、言えないことの『辛さ』と、辛さと向き合う先にあるメリットを考えてみました。
1.無意識が辛さの自覚の邪魔をする
- 〇〇でなければなならない
- 〇〇でない自分は他人に嫌われる
- 〇〇でない自分には価値がない
といった「べき論」に無意識にとらわれ過ぎていると、それに反した感情や状態を自分で受け入れることが出来なくなります。
例えば「常にポジティブに考えなければいけない」と思っていたら、少しでもネガティブさを感じさせる感情を汲み取ることはできないし、ネガティブさを感じる状況を回避しようと無理や無茶をし始める可能性があります。
結果として、その先にある楽しさ・充実感・成長・メリットを手にする機会を失するかもしれません。
2.辛さを自覚することへの恐怖がある
ずっと「辛いことではない」と否定し続けてきたことが、実は自分にとって辛いことだった、と自覚するのは、実はとても怖いことです。
自覚することで、今まで出来ていたことが出来なくなるのではないか、耐えられていたことに耐えられなくなるのではないか、自分の価値が下がるのではないか、といった、『自己崩壊』の恐怖が芽生えます。
これまでに
- 我慢することを周囲から強要されてきた
- 我慢することの目的や理由は分からない→我慢すること自体が目的になっていた
- 我慢するしか方法を知らない、または許されなった
ような環境で過ごしていれば無理からぬことです。
辛いことを自覚した時の自分を想像出来ないのです。
3.辛さを自覚することは、自分を大事にすることにつながる
辛いことを自覚しない、ということは、自分を辛い状況に置いたまま放置することと同じです。
他の人はやっているのだから、というのは、自覚しない理由にはなりません。
何が辛いのかは、人それぞれみんな違うからです。
辛さを自覚することが、逃げや甘えに繋がると思っているなら、それは否定します。
辛さを自覚することは、自分の弱点を受け容れて、自分をいたわって、優しくすることです。
辛いけど頑張った、乗り越えた、よくやった、と褒めてあげるタイミングなのです。
そして、次にまた同じ場面に遭遇するときにどう対応すればいいか、準備をするチャンスでもあります。
雨が降ると予報が出たら、傘を持って家を出ますよね。
辛さを自覚しないのは、土砂降りの中傘もささずに歩いて『私は濡れていない』と言っているのと同じなのです。
4.辛さを受け容れる準備をしよう
しかし上述したように、未知の状態を受け容れるのは誰でも不安があります。
辛いと自覚できなかったのは、そうなってしまう条件下にいたせいなのですから、当然ですよね。
辛さを受け容れることが出来る準備とは、以下のような条件が考えられます。
- 辛さを共有してくれる人がいる
- 辛いと感じる、言葉にすることは悪いことでも弱いことでもないという認識を持つ
- 辛いと自覚できなかったのは自分のせいでない、と理解する
- 辛さを自覚することのメリットを知る
5.辛さを自覚するメリット
自分にとって何が辛いのか、を自覚する、ということは、マイナスな感情と向き合う作業です。
しんどい作業ですが、以下のようなメリットが考えられます。
- 自分に無理をさせなくなる
- ストレスが減る
- NOが言えるようになる
- 他人に利用されなくなる
- 精神的に自立できる
- 自分が楽しいと思えること、好きなことは何なのかが分かる
- 毎日が楽しくなる
- 自信がつく
- 対等なコミュニケーションをとれるようになる
- 人生の方向性が見えてくる
もっと他にもあるかもしれません。
もし思い付いたら、是非私にも教えてください。
辛いことを「辛い」と思わないことでその場を乗り切る、という方法も、無くはないと思います。
しかし、辛さを自覚しないことが習慣化してしまえば、それはやはり自分にとってデメリットのほうが大きくなってしまいます。
瞬間的に辛さを無視することがあったとしても、後になってからでいいので、辛さを無視してでも役目を果たした自分をたくさん褒めてあげましょう。
それこそが『自分を大切にする』ことだと思います。
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