自分軸で生きるためのヒント:自分を大切にするシンプルな習慣
自分軸で生きることは、どんな選択をするにしても、人生をより豊かにするための重要な要素です。
自分軸がしっかりしていれば、迷いが少なくなり、周囲の意見に振り回されることなく、自分の信念に基づいて行動することができます。
しかし、今まで他人軸で生きてきた人にとっては、自分軸を見つけることは簡単ではありません。
今回は、自分軸で生きるとはどういうことか、そしてそれをどのように実現するかについて詳しく解説していきます。
自分の人生をもっと自由に、そして充実させたい方は、ぜひこの内容を参考にしてみてください。
目次
自分軸で生きるとは
自分軸とは何か?
自分軸とは、自分が生きていく上での参照軸です。
選択、決断、行動、振り返り、見直しをするとき、基準が必要です。
どうしたいか、どうすべきか、どうすれば後悔しないか、など色んな事を考えて決断するでしょう。
その時に自分軸があると、それに沿って決断することができます。
自分軸で生きていないと「他の人ならどうするか」「何をすると褒めてもらえるか、喜ばれるか」のように第三者の目線を重視した決断になりがちです。
これが習慣化すると自分がどうしたいか、という主体性が抜け落ちた人生になり、どこかで不満や自己不一致感、葛藤に悩まされることになります。
「他人軸」で生きることの弊害
他人軸とは、他人の期待や価値観、判断基準に基づいて生きることです。
この状態では、自分の本心や望みが見えなくなり、次のような弊害が生じます。
【自己肯定感の低下】
他人の基準に従っていると、どれだけ頑張っても「十分ではない」と感じがちです。
自分が本当にやりたいことではなく、他人に褒められるために行動すると、達成感や満足感が得られにくくなります。
【ストレスや不安の増加】
他人の期待に応え続けることは、心の負担が大きく、ストレスを引き起こします。
【人生の迷走】
他人軸で生きていると、どんな選択をしても「自分らしさ」を感じられません。
その結果、人生の方向性を見失う可能性が高まります。「自分の人生を生きていない」と感じ、空虚感や後悔が生まれることもあります。
【他人への依存】
他人の意見に頼りすぎると、依存的な思考が強まり、自分の判断力が弱まります。
この状態では、他人の評価がなければ自分の価値を見出せなくなることがあります。
なぜ「自分軸で生きる」ことが重要なのか
自分軸:自己価値、アイデンティティとの関係
【自己価値(Self-Worth)とは】
心理学では「自己価値」を、「自分が価値ある存在であると感じる感覚」として定義します。
これが高い人は、自分を信じ、自分の判断や行動に自信を持つことができます。
一方、自己価値が低いと、自分の存在意義を見失い、他人の評価や外的な成功に依存してしまいがちです。
◆自分軸が自己価値を高める理由
自分軸で生きることで、「自分が何を大切にしているのか」が明確になります。
この「価値観の明確化」が自己価値感を支え、自分が他人の基準でなく、自分自身の基準で行動できるようになります。
【アイデンティティ(Identity)とは】
アイデンティティは「自分が誰であるか」を理解すること。これには、自分の価値観、信念、目標、役割などが含まれます。
心理学者のエリクソン(Erik Erikson)は、アイデンティティを形成することが人生の大きな課題であり、特に青年期や大人になった後でも自己の再定義が必要だとしています。
◆自分軸とアイデンティティの関係
自分軸で生きると、「自分らしさ」に基づいた選択や行動ができるため、自分が誰であるかをしっかりと認識できます。
他人軸で生きるとアイデンティティが曖昧になり、「自分は本当にこれで良いのか?」という迷いが生じやすくなります。
≪参考情報≫エリク・エリクソンと「心理社会的発達理論」「アイデンティティ」(カウンセリングしらいし)
自分軸で生きることで得られるメリット3つ
【自己肯定感が高まる】
自分軸で生きると、自分の信念や選択に基づいて行動できるため、自分に自信を持ちやすくなります。
自己肯定感が高い人は、以下のような特徴があります。
- 失敗しても自分を責めすぎない
- 他人の評価に一喜一憂しない
- 自分の意見を尊重しつつ、他人を受け入れる余裕がある
≪こちらも読まれています≫ 大人が歩む自己肯定感の旅
【判断力が向上する】
自分軸で生きることで、選択や決断がしやすくなります。
他人軸で生きていると、周囲の意見や期待に左右され、どの選択が正しいのか分からなくなることがあります。
しかし、自分軸で生きると、「これは自分にとって正しい選択か?」という基準が明確になるため、以下のような状況で判断力が発揮されます。
- 転職や結婚など人生の重要な選択
- 周囲からの誘いや提案を断る場面
- 自分にとって本当に必要なものを見極める日常の選択
【メンタルの安定】
自分軸で生きると、外部の変化に左右されず、内面的な安定を保つことができます。
他人の期待や批判に振り回されるとストレスが増加しやすいですが、自分軸に沿った行動は心理的負担を軽減します。
◆具体例
仕事で周囲に批判されたとき
→「自分軸に基づいて行動しているから大丈夫」と思える。
家族や友人に意見を否定されたとき
→「相手の考えはそうだとしても、自分にとっての正解はこれ」と冷静に受け止められる。
自分軸で生きるための3つのステップ
価値観を探る:自分らしさの軸を明確にする第一歩
【自分軸を掘り下げるための問いかけ】
自分軸を探る第一歩は、自分に問いかけることです。
このプロセスは、表面的な「やらなければならないこと」から離れ、本当に大切なものを見つめる作業です。以
下の質問を活用してみてください。心に浮かんだことを遠慮なく書き出しましょう。
≪問いかけの例≫
- 何をしているときに、自分らしさを感じますか?
例えば、友人と深い話をしているとき、自然の中でリフレッシュしているとき、新しい知識を学んでいるときなど、過去の経験を思い返してみましょう。 - どんな人として生きていきたいですか?
他者から見た自分ではなく、自分自身が「こんな人でありたい」と思う姿を具体的にイメージしてください。
例:優しく思いやりのある人、学び続ける人、ユーモアを大切にする人。 - どんな状況のときに心から充実感を感じますか?
あなたが「これが私の生き方だ!」と思える瞬間はどんなときですか?
家庭での時間、仕事での達成感、人と分かち合う喜びなど、自分の内面の充足感を大切にする視点で考えます。 - 将来、他者からどのように記憶されたいですか?
例えば、子どもたちや友人から「誠実で、周りを支えた人」と記憶されたい、または職場で「挑戦を恐れなかったリーダー」として思い出されたい、などの視点から考えます。
【自分軸をカテゴリー化して整理する】
問いかけに対する答えが出そろったら、それを分野別に整理してみましょう。
自分軸は生活のさまざまな場面で表れます。
例えば以下の場面で、自分軸はどのように応用されるでしょうか?
≪主なカテゴリー例≫
- 家庭・人間関係
- 仕事・キャリア
- 健康・ウェルビーイング
- 学び・自己成長
- 趣味・ライフスタイル
自分軸の優先順位をつける
【なぜ優先順位が必要なのか】
自分軸は、私たちの人生を豊かにする方向性を示しますが、日々の行動には時間や体力、集中力などの限界があります。
例えば、「仕事でのキャリアアップ」と「家族との時間を増やす」という自分軸を同時に追求したいと考えることは自然です。
しかし、どちらも同時に最優先することは難しい場合があります。
このようなときに自分軸で生きるために優先順位を明確にしておくことで、自分がどのような選択をすべきか、迷いを減らすことができます。
【優先順位をつけるための質問】
以下の質問を活用して、自分軸を掘り下げ、整理しましょう。
- 現時点で最も重視したい価値はどれですか?
今の人生の状況や課題に照らし合わせて考えてみてください。
たとえば、「子どもとの時間を大切にしたい」「今はキャリアに集中したい」など、ライフステージによって優先順位は変化します。 - その自分軸を実現するために、現在の行動はどのように貢献していますか?
例えば、「家族との時間を増やすこと」が価値であるならば、今の生活や行動がその価値をどれだけサポートしているかを評価してみましょう。 - どの自分軸が他の価値観と矛盾せず、長期的な幸福に繋がると感じますか?
一見すると対立している自分軸も、優先順位をつけることでバランスを取ることができます。
たとえば、「仕事での成功」と「家族との時間」の両方を大切にするために、「平日の残業を控えて、週末は家族と過ごす」という選択が考えられるかもしれません。
【優先順位をつけたらどう行動するか】
自分軸の優先順位が明確になったら、それを行動に移すことが大切です。
行動計画を立てる際には、以下のポイントを意識しましょう。
- 具体的な目標を設定する
優先した価値観を具体的な行動に落とし込みます。
たとえば、「家族との時間を増やす」という自分軸を優先するなら、「週に1回は家族と一緒に外食する」といった目標を立てることができます。 - バランスを保つための工夫をする
優先順位をつけた自分軸に集中しながらも、他の自分軸を完全に無視しないようにします。
たとえば、「平日は仕事を優先し、週末は家族と過ごす」といったバランスを取る工夫が有効です。
自分軸に基づいた行動を設計する
【自分軸を具体的な行動に変えるとは】
自分軸で生きるとは、「自分がどう生きたいか」「どのような人でありたいか」といった人生の大切な指針です。
たとえば、次のような自分軸があるかもしれません。
- 健康を大切にしたい
- 人とのつながりを深めたい
- 自己成長を追求したい
これらの自分軸を、日常の中で実践できる具体的な行動に落とし込むことが「自分軸に基づいた行動設計」の目的です。
自分軸を「具体的な行動」に反映することで、毎日の選択や行動が明確になり、迷いを減らすことができます。
【行動を設計する3つのステップ】
(1)小さな行動計画を立てる
自分軸で生きるためには、一歩ずつ進めるのが大切です。
最初は、実現可能な「小さな行動」を設定しましょう。たとえば:
自分軸:健康を大切にする
行動:「週3回、30分ウォーキングをする」
自分軸:人とのつながりを深める
行動:「週に1度、友人に感謝のメッセージを送る」
重要なのは、自分軸を「今の生活の中で実践可能な具体的な行動」に変換することです。
(2)行動の頻度やタイミングを明確化する
行動を設計する際に、漠然とした目標ではなく、「いつ」「どこで」「どのくらい」の詳細を明確にすることが重要です。
「健康を大切にする」という自分軸に基づいて「週3回ウォーキングする」を目標にする場合
↓
いつ? =月・水・金の朝7時
どこで? =自宅近くの公園
どのくらい? =30分程度
このように、行動の条件を具体化することで、実行しやすくなります。
また、タイミングを決めておくことで習慣化に繋がりやすくなります。
(3)柔軟性を持つ
行動計画を立てたものの、計画通りにいかないこともありますが、それでも大丈夫です。
自分軸そのものは変わらず、行動を調整することで再び自分軸に基づいた道に戻ることができます。
- 雨が降ってウォーキングに行けなかった場合は、室内でストレッチをしてみる
- 忙しくて友人にメッセージを送れなかった日は、翌日に改めて送る
失敗しても自分を責めるのではなく、柔軟に対応し、再び行動を始めることが大切です。
行動設計がもたらすメリット
自分軸に基づいた行動設計を行うことで、以下のようなメリットを得られます。
- 達成感を感じやすい:自分軸に基づく行動は、目標そのものが自己充実感に繋がります。
- 行動の一貫性が生まれる:自分軸が指針となり、迷いが少なくなります。
- 自己信頼感が高まる:計画を実行することで「自分は行動できる」という実感を得られます。
自分軸を強化するための心理学的アプローチ
マインドフルネスで内面を整える
マインドフルネスとは、「今、この瞬間」に意識を集中し、自己判断をせずに感じたことをそのまま受け入れることです。
心理学的には、マインドフルネスは「自己認識」を高め、心の混乱を整理するのにとても効果的だとされています。
【マインドフルネスのメリット】
- 感情のコントロール:日常生活で感じる不安やストレス、イライラなどを「あるがままに観察」し、その感情に流されずに冷静に対応できるようになります。
- 自己認識の向上:自分の思考や感情を客観的に観察することで、何が自分にとって大切なのか、何を求めているのかをより明確に理解できるようになります。これが自分軸を強化する一歩となります。
【実践方法】
- 深呼吸をする:落ち着いた環境で、目を閉じて深呼吸をします。その呼吸に意識を集中させて、他の考えを手放します。たった1分でも効果的です。
- ボディスキャン:体の各部分に意識を向け、緊張している場所があればリラックスさせる練習です。自分の体の感覚に注意を払うことで、心も落ち着きます。
このように、マインドフルネスを習慣にすると、心が落ち着き、自分軸に基づいた冷静な判断ができるようになります。
レジリエンスを高める自己対話のコツ
レジリエンスは、逆境や困難に直面しても、立ち直る力、つまり回復力のことです。
このレジリエンスを高めるためには、「自己対話」が重要な役割を果たします。
自己対話とは、自分自身とのコミュニケーションのことです。どのように自分と話すかが、メンタルの強さに大きく影響します。
【ポジティブな自己対話】
ネガティブな考えや自己批判を減らし、自分を励ます言葉を使うことが、レジリエンスを高めるポイントです。
例えば、問題に直面したときに、「私はこれを乗り越えられる」「どんな困難にも意味がある」と自分に言い聞かせることが助けになります。
【自己対話の方法】
- ジャーナリング:その日に感じたことや考えたことを自由に書くことで、感情を整理できます。ネガティブな感情もそのまま書き出し、「どうしてそんなふうに感じたのか」を客観的に振り返ることができます。
- 肯定的なフレーズを使う:失敗したときに「ダメだ」と自分を責めるのではなく、「今回はうまくいかなかったけれど、次はもっとできる」と、自分を励ます言葉に変えるだけで、気持ちが軽くなり、前向きに次のステップに進む力が湧いてきます。
≪こちらも読まれています≫ 心のモニタリング方法:自分の内面を知り、成長する
【レジリエンスを高める理由】
ポジティブな自己対話は、自分軸で生きるために重要です。
困難な状況で自己肯定感を高め、自分軸に基づいた行動を取る力を養います。
≪こちらも読まれています≫ 心の回復力を鍛える:レジリエンスとコミュニケーションの関係
ソーシャルサポートを活用し、孤独を感じない生き方
ソーシャルサポートとは、友人や家族、仲間など、周囲からの支援や助けを受けることです。
孤独や不安に直面したときに、自分ひとりで抱え込まずに他者とつながることは、心理的に非常に大切です。
【ソーシャルサポートのメリット】
- 心の安定:人は社会的なつながりを持つことで、心の安定を得られます。孤独を感じているときに、友人と話すことで気持ちが楽になったり、アドバイスをもらうことで新しい視点を得られることがあります。
- 自分軸を維持する力:自分軸を強化するためには、周囲の意見やサポートを受け入れながらも、自分の価値観を持ち続けることが大切です。ソーシャルサポートを通じて、自己理解を深め、自己肯定感を高めることができます。
【活用方法】
- 信頼できる人に話す:悩みや不安を抱えているときには、信頼できる友人や家族に話してみましょう。誰かに話すことで、心の整理ができ、落ち着きや安心感を得ることができます。
- グループ活動に参加する:趣味のサークルやボランティア活動、オンラインのサポートグループなどに参加して、共感できる仲間とつながることも有益です。共通の目的を持つ人たちと交流することで、心のサポートを得やすくなります。
ソーシャルサポートは、ストレスを軽減し、心理的な安定感を保つために非常に重要です。
また、心理学的な研究では、社会的つながりがあることで、メンタルヘルスが向上し、困難な状況でも前向きに対処できるとされています。
おわりに
自分軸で生きることは、人生における選択をもっと自信を持って行うための基盤です。
自己肯定感が高まり、自分の行動が他人軸ではなく、自分の価値観に基づいていることを実感できると、日々の暮らしに大きな充実感が生まれます。
また、判断力やメンタルの安定も向上し、どんな困難にも冷静に対処できるようになります。
しかし、自分軸を見つける過程は一朝一夕ではありません。
自己探求を重ね、価値観を見直し、行動に落とし込むことが大切です。
まずは小さな問いかけから始め、自分の内面と向き合うことから始めてみましょう。
自分軸を定めて生きることで、人生はより明確な方向を持ち、幸せを感じられるようになるはずです。
自分自身を大切にし、自分らしい人生を歩むために、自分軸を育てていきましょう。
自分軸で生きたい方へ
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