ストレスにはどう対処する?

ストレスにはどう対処する?
そのストレスに対処するのと引き受けるの、どっちが価値がある?

ストレス対処は生活しているうえで切っては切れない要素ですよね。
精神的なものばかりではなく、気温、騒音、匂いのような物理的ストレスも含めると、ゼロにすることは難しいです。

ストレスに対処する方法は、多ければ多いほど便利です。
でもそこには落とし穴もあることを忘れるわけにはいきません。

1.ストレスコーピング

ストレスフルな状況に対して発動される個人のストレス対処法のこと。

ストレスフルな状況そのものに焦点を当てる問題焦点型コーピングや、ストレスフルな状況に伴って生起した不快な情動を解消するために発動される情動焦点型コーピングなど、様々な分類方法が提案されている。

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例えば会議で発表をしなければいけない状況に対しストレスを感じている時、
①問題焦点型…「間違ったことを言ってしまうのでは」という不安からくるストレス⇒事前に発表内容を上司にチェックしてもらい、おかしい部分を修正しておく
②情動焦点型…会議開始前に外へ出て深呼吸して気持ちを落ち着かせる
のような方法が考えられます。

対処すべき事態や感情がある程度明確になっている時に有効な手段ですね。

2.ストレス発散

学問的な定義はありませんが、非常によく使われる言葉であり、概念です。

「金曜日だからストレス発散に飲みに行かない?」

などと言う会話はよく交わされると思います。

ストレスとは、何かのイベントに対してだけ生起するものではありません。
逆に、何が原因かわからないけど、イライラや鬱屈や疲労が溜まって、ため込む器が限界に近づいてくると、何かしらの方法でため込んだストレスを吐き出したい・解消したい、という衝動にかられます。

原因がわからないので、事後対応するしかない、いわば生活する上での精神的な「残りかす」のようなものです。

これは色んな方法を各自お持ちだと思います。

・筋トレ、運動、スポーツ
・ウォーキング、散策
・ヨガ、ストレッチ
・サウナ、エステ、マッサージ
・カラオケ
・グルメ、お酒の場
・エンタメ(アニメ、マンガ、映画、音楽)
・読書
・寝る

などが多いようです。
ストレスをどうにかしよう、というよりも、疲れた時に合間をみて好きなことをすると、ため込んだストレス=残りかすが減っている、という状態かもしれません。

  1. 対象がハッキリしているもの=コーピング
  2. 対象がはっきりしないもの=ストレス解消方法

で対応する、という二本立ての方が多いかもしれません。

3.その対処方法は役に立っているのか?

例えば「1」の「会議で発表をしなければいけない状況に対しストレスを感じている」という状況を想定します。

ストレスが高じてどうしても会議に出席できなくなってしまい、直前で同僚に発表役を替わってもらいました。自分は発表する必要がなくなり、それについての緊張は回避できました。
しかし、今後もまたどこかで同じシチュエーションは巡ってくるでしょう。その都度誰かに替わってもらう、というのは現実出来ではありません。
更に、自分の代理で発表した同僚が上司から評価され、大事なプロジェクトの責任者に任命されました。本来なら自分が担っていたはずの仕事を、会議の発表役を回避した結果、逃してしまったことになります。

これは本当に自分の利益になっている対処法でしょうか

または、緊張を和らげるために、仕事中にもかかわらずこっそりとお酒を飲んでしまったとします。少量だから周囲に気づかれることはなかったし、アルコールのお蔭で緊張が和らぎ発表もスムーズに行うことが出来ました。
しかしその後、何か緊張する場面になると、すぐにお酒を飲む習慣が付いてしまいました。会議に限らず、顧客に電話する前、上司に話しかける前、初めてのセミナーに出席する前など、飲む頻度が増えていきました。

その結果は言わずと知れています。
緊張への対処法、ストレス解消方法が、一周回って別のストレスや問題を作り出してしまっているのです。

4.対処すべきはストレスではない

ストレスとは正式には「ストレス反応」と言います。ストレッサーという「ストレス源」に対する心身の反応です。
ゴムボールを強く指で押すとボールが凹みます。この「押す指の力」が「ストレッサー」で、ボールのへこみ部分が「ストレス反応」です。

凹ませないようにしよう、凹んだ部分を元に戻そう、とするのが、コーピングでありストレス解消法です。

しかし、ストレスに対処することが「本当に」自分が望んでいることなのでしょうか。

ストレッサーのために凹んだ部分を戻すことよりも、他にしたいことや欲しいものがあるかもしれません。
でも凹みを元に戻すこと、凹ませないことにばかり気を配っている間に、本当に望んでいるものを得られるチャンスを逃すかもしれません。
凹ませないことを優先したことで、その先にある「望み」を得られないかもしれません。

「3」で事例とした、発表役を替わってもらったことで、代役の人に重要なポストを奪われたのもその一つです。


ストレスは正直嫌なものです。感じないで済むに越したことはありません。
しかし、「引き受ける価値がある」ストレスがあるのも事実です。

ストレスをひとくくりに「悪いモノ」として除外するのではなく、自分にとって必要なストレスかそうでないか、を吟味するのも、「ストレス対処法」の一つではないでしょうか。

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