「失敗」のトリセツ
失敗・ミスは、出来ればしたくないものです。
とはいえ、してしまいます。人間なので(笑)
失敗しないようにしよう、と考えすぎると、どんどん行動や思考が狭まって、最終的には何も出来なくなり、「何も起こらないこと」が「いいこと」担ってしまいます。
失敗・ミスは、「学習」との掛け合わせで、新しい視点・手段に変貌します。
そうすれば、むやみに忌避する必要がなくなります。
1.失敗・ミスは「必ずする」「誰でもする」
そもそも失敗やミスを「アクシデント」=「想定外の事態」と思うことがまちがいだと思います。
人間ですから、ミスや失敗をするものなんです。
ヒューマンエラーとかオペレーションミスというのは、絶対にあり得ることなのです。
どんなに注意しても、どんなにその道に熟達した人でも、100%絶対にしない、と断言は出来ません。むしろ熟練の人ほど、それを知っているはずです。
にもかかわらず「失敗するな」「ミスするな」と考えたら、何も出来なくなります。
成功するより達成するより成果を出すよりも「失敗しないこと」の優先順位が高くなってしまうからです。
でもそれって、ゼロですよね?
2.失敗・ミスの取り扱い方法
失敗・ミスは、つまり当初の予定では想定していなかった事態のことです。
まっすぐ引かれた線が、途中で途切れたり、横に曲がったり、前へ進まなくなることです。
このときの「失敗」は、何を表しているでしょうか?
それを考えることが、ポイントです。
- 失敗をした状況(場所、時間帯、一緒にいた人)
- 失敗をした時の状態(体調、メンタル、時間的余裕)
- 初めてのタイプの失敗か、いつもやる失敗か(頻度)
などを分析してみましょう。
そして、失敗=まちがい、と決めつけることも急がないようにしましょう。
開始前に想定していなかった状況をよく分析することで、違う方向性や可能性が見えてくることもあります。
3.失敗・ミスの活かし方
失敗・ミスは、それに対する分析結果に「学習する姿勢」と掛け算することで大きな成果も生み出します。
この場合の「学習」とは、
- 分析結果からどんなことに気づくか
- 気づいたことを今後のためにどうやって活かすか
- 「失敗」ではなく「試行錯誤の1ステップ」として捉え直す
ことです。
例えば会議での自分の発言を「失敗だ」と思った場合。
- ①分析結果からどんなことに気づくか
⇒どのような流れで自分はその発言をしたのか(分析する) - ②気づいたことを今後のためにどうやって活かすか
⇒失敗だ、と思った根拠は何か(内容自体が間違っていたのか、自分の感情だけの問題か) - ③「失敗」ではなく「試行錯誤の1ステップ」として捉え直す
⇒自分の発言に対する周囲の反応は?(それ以降会議の流れが変わったりしなかったか)
を考えてみましょう。
「やっちゃった…」
「どうしてもっと他のことが言えなかったんだろう」
「きっとみんなからダメなやつだと思われた」
と、感情面にばかりフォーカスして落ち込むよりも、次の会議が楽しみになりませんか?
4.大きなイベントに対しては「失敗しないようにする」は有効
日常生活で起きる失敗やミスの回避に気を取られると、結果として行動が制限されたり可能性が閉ざされたりするデメリットのほうが大きくなってしまいます。
ですが、人生の大きなイベント、「ライフイベント」は、事前に失敗回避のための準備や心づもりをする時間があることが多いので、「失敗しないようにしよう」と考えることはとても有効です。
家の購入、結婚、就職・転職、家族計画、転居、進路
などですね。
事前に調査し、準備をして、いざ本番→その後の調整、をすることが出来ます。
むしろ、ライフイベントに対して失敗やミスを考えず飛び込むほうがリスクが大きくなります。
「失敗しないようにしよう」という態度は、使いどころが肝心なのです。
他人から見ると真っすぐで平坦に見える誰かの人生も、本人にとっては成功と失敗と不安と達成感が無数に繰り返された「点の繋がり」だったりします。
「失敗」という点にばかりフォーカスせず、人生や生活の流れの中の一つの「点」としてとらえ、次の「点」へ、「学習」と言う手段で繋いでいきましょう。