自立して生きてきたからこその、今の停滞期

自立して生きてきたからこその、今の停滞期

自立して、自分で選び、自分で決めて、ここまで歩いてきた。
それなのに、なぜか前に進めない。努力が足りないわけでも、能力がないわけでもない。
それでも停滞している感覚がある。
もし今そんな場所に立っているなら、それは失敗ではなく「構造の転換期」かもしれません。

本記事では、自立と停滞の関係を整理しながら、次のフェーズへ進むための視点をお伝えします。

目次

1.自立している、とはどういう状態か

気持ちの強弱や感じる場面の違いは人それぞれだと思いますが、こうした言葉が思い浮かぶことがあるのではないでしょうか。
それは、あなたが「自分で決定する」習慣がついている、ということです。

「自己決定理論」という考え方があります。
それによりますと、人が健全に動ける状態は、

  • 自律性:自分で選んでいる、という感覚
  • 有能感:自分なら出来る、という感覚
  • 関係性:自分の存在がい周囲から受け入れられている、という感覚

が揃っていると発揮されます。

「私はこういう考えを持っていて、それに沿って判断した。それでうまく回って来た。これが私のやり方だ」

という土台に立ってやってこれている、というのは、自立して行動出来ている状態、と言えるでしょう。

惠然庵 にしおか
惠然庵 にしおか

2.自立しているのに停滞する理由は?

自立して行動出来ていることは、社会で生きていく上で非常に頼もしい状態です。
何でも自分で取り決めて、選んで率先して行動出来るようなイメージですよね。

しかし実際に上記のような状態にある人が、常にサクサク未来へ向かって突き進めるか、というと、そこも難しい。
自立して行動出来ているのに、停滞する、立ち止まる、迷路にはまり込む。
少なくない悩みだと思います。

なぜ、停滞してしまうのでしょう。
自立しているとき、責任感と自信が高まっています。それゆえに「自分のせい」と考えがちです。

  • もっと自分に自信が持てれば
  • まだまだ行動が足らないのでは
  • 更にもう一歩踏み出す勇気が必要なのかも

そう考えて今までのやり方を再実践します。
しかし、停滞状態は変わらない。

それはもう、個人の資質とは別のところに「動けなくなる理由がある」と考えるほうが自然ではないでしょうか。

では、どうして動けなくなるのでしょう。
ポイントは「動きたくない」とは思ってない、という点です。動け「ない」のです。
動かない状態に、何かメリットがあるのす。

もう一度先ほどの「自己決定理論」を思い出しましょう。

自律性:自分で選んでいる、という感覚
有能感:自分なら出来る、という感覚
関係性:自分の存在がい周囲から受け入れられている、という感覚

自立している状態が停滞を生む本当の理由。
それは、自立=自己決定のためのこうした要素を維持することが、「先へ進む」ことより優先されているのです。
つまり、何か(努力とか行動量とか勇気とか)が不足しているのではなく、優先順位の問題です。

3.停滞するときの共通点とは

自立した行動・選択を続けてきたのに、ここで停滞するのはなぜでしょう。

停滞が起きるのは、能力やスキルの不足ではない、と、最初にお話ししました。


では何が起きているのでしょう。

それは「今までのやり方が通用しなくなってきたから」ではないでしょうか。

例えばこんな状態で、当てはまるものはありますか?

  • なにかを判断するときの基準は、今までの経験や実績から作り上げた基準である
  • なにかを選ぶときは「防御」機能が優先されている
  • 自分一人で1から10まで執り行う、他人には頼らない、というやり方で、物事の一貫性を保っている
  • これまでの経験から生み出した法則が黄金律になっているので、新しい関係を取り込むタイミングがない

つまり、停滞したくない=先へ進みたいと思いながら、今までやってきたこと・出来たことで突き進もうとしているのです。


それ自体が間違っているわけではありません。ただ、通用しない場面がちらほら表れ始めた段階に、今、あなたは立っているのです。

新しい部屋の扉は、新しい鍵でしか開きませんよね。

【図】停滞している状況

4.自立×停滞期に必要なこととは

今までの成功法則だけでは、ここから先へは進めません。

この気づきが自分のものになれば、あとは「じゃあ”今の状態”には何が必要なんだろう」という思考に至りますね。それがフェーズの転換時にはとても大事です。

何が必要か。それは「今はない視野」を取り入れることでしょう。

①何かを守っているのかもしれない、という視点を持つ

過去の経験を踏まえ、自分で選び、自信をもって一人で遂行する状態を、前より効果が出ないと分かっていても繰り返すということは、そこに何かメリットを感じているのでは、とお話しました。
では、そのメリットとは何でしょうか。

  • 守りたい何か
  • 避けたい何か
  • 触れたくない何か

かもしれません。

②不動になっている今の判断基準を見直す視点

今の行動基準は過去の経験や実績が生んだ、あなただけの、しっかりとした裏付けがある基準です。ただ、今の状態に適用すると「帯に短し襷に長し」になっているのかもしれません。
無理に突き通そうとすると、問題や状況のほうを行動基準に合わせようとするような無理も起きかねません。

これから先へ進むためには、基準を再設計する、新しい知識や経験、環境要素を含めて見直す必要性を検討する時期かもしれません。

③「自立」をアップデートする

今日まであなたが貫いてきた「自立」は、今まではしっかり通用するものでした。
ただ、もしかしたらここから先には合わないのかもしれない。
最新のソフトを使うためにOSをアップデートする必要があるように、あなたにとっての「自立」を捉え直すのも方法の一つです。
それは拡張だったり、手放しだったり、取り入れだったり。状況によって様々でしょう。

自立とは、完成するものではありません。フェーズによって変わっていく「構造」なのです。

5.何を手放す? 何を持っていく?

もう一歩踏み込んだご提案をさせていただきますね。
今はない視点を増やす、とご提案させていただきましたが、では、具体的にはどんなことが起こるでしょうか。

選別です。

これが起こります。
結構大きな変革です。
なぜなら物体と違い、習慣や概念には、大事にしてきた理由や背景があるからです。


一つ覚えておいていただきたいのは「手放す」否定や廃棄ではない、ということ。
そして概念を手放したところで、過去の体験や実績が消えるわけではない、ということです。

①手放すもの

  • 防御(守る・避ける・タブー)としての自立
  • 安定させるための排除
  • 過去の成功パターンへの過信

②これからも持っていくもの

  • 判断力
  • 主体性
  • 選ぶことへの責任(コミットメント)

これにより、あなたの「自立」の中身が再構成されていきます。

6.まとめ

自立とは、「自分で選び、引き受ける」構造です。
その構造は、これまであなたを確実に前へ進めてきました。

けれども、同じ構造が、ある段階からは「維持」を優先しはじめることがあります。
停滞は、能力不足ではありません。守ってきたものを守ろうとする自然な働きでもあります。

だからこそ必要なのは、否定ではなく再設計です。

手放すものを見極めること。
これからも持っていくものを選び直すこと。

自立完成形ではありません。
フェーズに応じて組み替えられていく「生きた構造」です。

今の停滞期は、壊れている時間ではなく、あなたの自立が次の形へと再構成される時間なのかもしれません。

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