一人で抱え込む覚悟を見つめ直す ―辛いと感じる理由と、守ってきたもの―

一人で抱え込む覚悟を見つめ直す

「一人で抱え込むのは、やめてもいいんじゃない?」
そう言われるたび、どこか納得できないまま、今日も自分で引き受けてしまう。

本当は楽になりたい気持ちもある。
それでも、簡単には手放せない役割がある。

もしあなたが今、

「泣いても愚痴っても解決しない」

そう思いながら踏ん張り続けているのなら。
それは弱さではなく、あなたなりの覚悟の形なのかもしれません。

この記事では、その覚悟が生まれた背景と、今になって苦しさが増してきた理由を、ゆっくり言葉にしていきます。

目次

1.一人で抱え込む、その思いは覚悟の形

だから、自分がやり遂げなければ―。

こう考えて、悩んで、行き詰って、たまに投げ出したくなる時もあって。
だけどそうしない、もう一度取り組む。

人に相談すると

  • 「一人で抱え込まなくてもいいのでは」
  • 「誰かに頼ったり相談すれば?」
  • 「無理しすぎじゃないの?」

と言われるかもしれません。

こうしたアドバイスや感想は、分からなくもない。
だけど全面同意するか、というと少し違う……と感じているのではないでしょうか。

それに対して

  • 「私は頭が固いんだ」
  • 「他のひとみたいに要領よく振舞えれば、もっと楽かもしれない」
  • 「確かに自分だけ頑張り過ぎている気がしなくもない……」

と思うかもしれない。だけど、やめない。

どうしてでしょうか。
それはきっと、あなたの覚悟の形だから、ではないでしょうか。


「私しかやる人がいない」という言葉は、押し付けられた人の言葉ではありません。
紆余曲折あったとしても、「自分がやるんだ」と腹をくくったからこそ出てくる言葉です。

惠然庵 にしおか
惠然庵 にしおか

2.なぜあなたは一人で抱え込む覚悟を固める必要があったか

『私しかやる人がいないから』、だからしんどくてもやり抜こう。

どうして、そこまでの覚悟が必要になったのか。
その背景には、きっと一人ひとり違う事情があります。

ここで少し止まって、こうなるまでのあなた自身の流れを振り返ってみてください。

覚悟が生まれる理由は、人それぞれです。
ここでは一つの例として、私自身の話を少しだけ書きます。

私が一人で抱え込むようになったのは、夫を守るためでした。

親との関係性や、後から分かってきた発達特性、そして当時の職場での強いストレス。
夫の周囲には、「どうあるべきか」を語る人はいても、
本人が何に不安を感じ、何を選びたくないのかに耳を傾ける人が、私の知る限りいませんでした。

私自身も、そうした状況を含めて共感してくれる相手を見つけられずにいました。

気づけば「私しかやる人がいない」から「私が引き受けるしかない」へと、覚悟が形づくられていたのだと思います。

誰かを背負うことに慣れていたわけではありません。
それでも逃げ場のない関係を続けられたのは、その覚悟があったからかもしれません。

いかがでしたでしょうか。
あなたがその覚悟を引き受けることになった背景には、どんな出来事や関係があったでしょうか。

すぐに言葉にならなくても、大丈夫ですからね。

惠然庵 にしおか
惠然庵 にしおか

3.今になって苦しさが増した理由

一度は必要に迫られて固めた、一人で抱え込む覚悟。
覚悟を固めた、という意識もあまりないまま、ずっと頑張り続けてきたのかもしれません。

そしてそれが今になって、苦しい状況に追い込まれていることに、少しずつ気づいているのではないでしょうか。

  • やるべきことはほとんどできていると思う
  • 自慢でもなく、私以外ならここまで頑張れなかった
  • やって来た成果は出ていると思う

……のに、辛い。


どうしてでしょうね。
覚悟を固めて、他の人には出来ないような役割を背負い続けて頑張ってるのに、どうして辛いのでしょう。

それは、あなたが弱くなったからでも、頑張りが足りなくなったからでもないように思います。

  • 疲れたから。
  • ストレスが溜まっているから。
  • 頼れる人がいないから。

それもあると思います。
ただ、それだけじゃない、という声がどこかから聞こえてくるのではないでしょうか。


だってこれだけが辛さの原因なら、休めばいいし、好きなことを楽しんでリフレッシュしたり、友達に愚痴を聞いてもらったりすれば解決するかもしれません。

だけどそうじゃない、自分が今本当に欲しいものはそこじゃない。
そう思うから、すぐに実践できる対策を思いつくにも関わらず、熱心に取り組む気持ちが起こらないのではないでしょうか。

あなたが、私が、今ここで苦しくなっているのは、最初に覚悟を固めた時に「背負った」と思っていたものの、重さが変化したから、ではないでしょうか。
だけど覚悟の実践方法は最初と同じままま。

今起きているのは、覚悟が間違っていたのではなく、状況そのものが変わってきた、という変化なのかもしれません。
一頭立ての馬車で運べていた荷物が、いつの間にか二頭立て、三頭立てにしなければ動かせなくなっているような変化が起きているのかもしれません。

4.それでも、その役割を手放せずにいる理由

これまでの頑張り方では、最初に決めた覚悟を、そのままの形で貫くことが難しくなってきているのかもしれません。

これは、薄々あなたも感じていることではないでしょうか。

その通りです。私でも同じことを思います。
最初の覚悟だって進んで手に取ったものではありませんから。

なのに、背負っている責任も担っている役割も手放さないのはどうしてでしょうか。

ここでいくつか質問をさせてください。
ここからは、答えを出すためではなく、今の位置を確かめるための問いです。
もちろん、正解なんてないです。あなたがどんな状況にいるのかを知る材料として使ってください。

  • これまでずっと今の役割を果たしてきて、得たものはなんでしょうか。
  • 今の役割を果たすために、手放したこと、諦めたことは何でしょうか。
  • あなたが今その役割を手放したら、あなたの生活はどう変化しますか?
  • あなたが役割を手放すことで、喜ぶ人は誰でしょう。また、悲しむ・苦しむ人は誰でしょう。
  • 明日の朝起きて、その役割を果たす人が他の人に代わっていたとしたら、どう感じますか?

すぐに答えられる質問ではないと思います。
全部に答えなくてもいいです。どれか1つ、気になったものがあれば「これかな」というものを、あなたの言葉でノートか何かに書き出してみてください。

惠然庵 にしおか
惠然庵 にしおか

<おすすめコラム>自分の役割と周囲からの期待

5.あなたが一人で抱え込むことで守ってきたものを見極めよう

多分あなたも(そして私も)、今の自分のように一人でがむしゃらに頑張り続けている人を見たら

  • 「誰かに頼ればいいのに」
  • 「たまには休んで好きなことをして過ごしてもいいんじゃない」
  • 「逃げたって誰もあなたを責めないよ」

と、声をかけるかもしれません。

なのに自分に対してはそれを言わないし、やるつもりはない。

それはきっと「手放さない」のは「守りたい何か」があるから、ではないでしょうか。
そしてそれは、あなたのやり方で、自分自身の手で守るからこそ意味があるものなのではないでしょうか。

だからきっと、周囲に話せば「もうやめろ」と言われるくらいハードな努力も続けることが出来るのかもしれません。

疲れたから、しんどいから、心細いから「止める」のは、あなたの心に反した選択なのかもしれません。
疲れたけど、しんどいけど、心細いけど「続ける」ことが、あなたが選んだ道なんですよね。

それこそが、覚悟の核なんだと思います。

とはいっても、辛いんですよね。思わず「誰か」と思ってしまうことがある。
それは、弱ったわけでも怠けてるわけでもないと思います。
もう一段高いところへ上るため、登山家がハーケンを岸壁に打ち込んでザイルをひっかけて登るのと同じです。

苦しい、しんどい、と感じ始めたことこそが、限界ではなく「変化の予兆」なのです。

6.まとめ

一人で抱え込んできたことは、間違いでも失敗でもありません。
それは、その時のあなたが選んだ、精一杯の覚悟でした。

ただ、状況が変われば、必要な支え方も変わっていきます。
苦しさを感じ始めたことは、限界ではなく、次の段階に進むためのサインなのかもしれません。

覚悟を捨てる必要はありません。
でも、その形を見直す余地は、きっとあります。

もし今、
「この話は、一人で考え続けるものではない気がする」
そんな感覚が少しでも芽生えたなら。
それもまた、あなたの中に生まれた大切な変化です。

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