決められない日々が続いているあなたへ ―知っておいてほしい、本当の理由―

決めなければいけないのに、決められない。
考えても考えても答えが出ず、時間だけが過ぎていく。
そんな状態が続くと、人は「自分が弱いからだ」と考えてしまいがちです。
けれど実際には、多くの場合それは事実ではなかったりします。
そこには、誰にでも起こり得るある流れがあります。
もし今あなたが迷いの中にいるのなら、まずは少しだけ立ち止まって、一緒にその状態を眺めてみましょう。
目次
- 1.決められない、迷ったとき、悩んだ時、人は答えを求める
- 2.決められない「答え」は無数にある
- 3.余裕がない時は、選択肢の多さは迷いを深める
- 4.決められない余裕がないとき、内側では何が起きているのか
- 5.構造が見えれば余裕ができ、迷いが消える
- 6.まとめ
- ≪一人で背負うのが、もう無理な方へ≫
1.決められない、迷ったとき、悩んだ時、人は答えを求める
誰かを支えたり、導いたり、守ったりする立場にいる人は、迷いと悩みの連続です。
どんなに経験を積んでも、勉強しても、現実はそこで得たものをそのまま適用できるとは限りません。
『うつ病とは~~という病気だから、○○を心がけましょう』
こうした情報はあふれているけれど、それだけで全てに対応出来るわけではありません。
「うつ病」を「子ども」「高齢者」「部下」に置き換えても同じだと思います。
迷う、悩む。決断して試す。上手くいかない、どうしたらいいだろう……。
これを何回も何十回も、もしかしたら百回以上繰り返していますよね。
だからへとへとに疲れ果てて、自分で決断することが出来なくなって、
『何が正解なんだろう、もう失敗したくない、失敗する余裕もない、誰か絶対に間違わない正解を教えてほしい』
という心境になるのは、ある意味必然と言えるでしょう。
2.決められない「答え」は無数にある
『絶対に間違わない正解を知りたい』
これは疲れ切ってエネルギーがゼロになって燃え尽きかけたあなたの心の叫びだと思います。
正解を知りたい、というよりも、これ以上試行錯誤を繰り返すのは嫌だ、というのが本心かもしれません。
だけどそれもまた現実的ではないことも、気づいていらっしゃると思います。
あなたが抱えているテーマは、唯一絶対の答えがあれば解決するほど単純な問題ではないからです。
- あなたの気持ち、立場
- 相手の気持ち、立場、状況
- 周囲の環境
- これまでのプロセス
- 関係者が望む結果(未来)
こんなにいろんなものが絡んでいるのだから、絶対の1つの答えなんてあるはずがないのです。
むしろ逆です。
「答え」は数限りなくあるのです。
今まであなたが考え、選び、試してきた方法の数だけ、答えは存在しているということです。

3.余裕がない時は、選択肢の多さは迷いを深める
『答えが無数にある、なんて言われても困る。だってもうこれ以上頑張れないから』
と思われたのではないでしょうか。
私でも多分同じことを考えます。
「答えがたくさんある」ということは、そのまま「自分が頑張らなければいけないタスクがたくさんある」と見えてしまうからです。
人は、普段の生活で常に何かを選んで生きています。
- 何を食べるか
- どの通路を歩くか
- 何を着るか
- 何を買って何を捨てるか
こんな基本動作だけでも限りなくあります。そして選んで決めるのは、非常にエネルギーがいる作業です。
生活ルーティンだけなら無意識に出来るとしても、あなたの責任から生まれる『選択場面』はそんな簡単に決断出来ないことが多いでしょう。
- どうしたら家族はやる気になってくれるのか
- 今のままだともっと困ることになると、どうしたら理解してくれるだろう
- 私が決断することで、色んな人に影響が出る。どうしたら…
こんな問題を前に、更に選択肢が無数にある、なんて言われたらパニックになります。
選択肢が多いのは自由度の高さ。
けれど「決めなければいけない」プレッシャーがある中では、その多さが逆に迷いを深めるのも、また事実なのです。
だからあなたは今、動けなくなっているのかもしれません。
<おすすめコラム>自分らしさを見つける|迷いのない選択で他人軸から抜け出す方法
4.決められない余裕がないとき、内側では何が起きているのか
決断しなければいけないのに、決められない。
この葛藤を克服するために、きっと一番酷使するのは「早く決めなければ、それが私の役割なのだから」という思いではないでしょうか。
だからさらに自分を急かす、そして焦る。でも決められなくてパニックになる。そして自分を責める。
今の苦しさは、こんな流れの中で生まれているのかもしれません。
➊決めなければ+私の役割だ
➋でも決められない
➌焦る
➍追い詰められる
➎自分を責める
ここで一つ、何かが浮き上がってこないでしょうか。
そうです、「決断する」という行為に縛られ振り回されているのです。
なぜ縛られるか。
それは余裕がないからです。
「早く早く」という言葉からは、時間的な制約もあれば、「もう間違えたくない」という圧迫感、そして「自分がやらなければ」というプレッシャーも感じます。追い詰められながらもその役割を誰かに譲ることは、実は望んでいないのではないでしょうか。

この構図を見て、では、選択肢の多さにパニックにならず、逆にチャンスととらえられるようになるためにはどうしたらいいと思いますか?
これも答えは1つじゃないです。
あなたが「これかも」と思ったものが正解です。
『どうしよう、何も思いつかない』
と思われても大丈夫。
更に続きも一緒に見ていきましょう。
5.構造が見えれば余裕ができ、迷いが消える
あなたが「決断しなくてはいけないのに決められない」構図から抜け出すために何が必要でしょうか。
その答えはたくさんあると思います。
そのうちの一つが「余裕を取り戻す」ことです。
追い詰められてギリギリになっている思考に余白を作ること、とも言えます。
この余白を作るために、先ほどの構図をもう一度眺めてみましょう。
➊決めなければ+私の役割だ
➋でも決められない
➌焦る
➍追い詰められる
➎自分を責める
ここにあるのは
- 早く決めなければいけない=期限
- 私の役割=責任
- 自責感
ですね。
実はここに、1つ含まれていない要素があります。
ここまでして「決めなければいけない理由」です。
例えば「どうしたら○○(家族、友人、部下)はやる気になってくれるのか」で迷っているとします。
これが理由ですね。そして迷いの出発点です。
つまり「やる気を出してほしいと思っている誰かがいる」のです。ここが抜けている。
これを含めてもう一度考えてみましょう。
➊○○にやる気を出してもらいたいが、方法が分からない・決められない
➋決めなければ+私の役割だ
➌でも決められない
➍焦る
➎追い詰められる
➏自分を責める
ん? と思いませんでしたか?
➍以降です。
ここでなぜあなたが「一人で」焦っているのでしょう。
本来この問題には、もう一人登場人物がいたはずです。
○○さんです。
つまり、構造の中から「相手」が消えてしまっていたのです。
このことに気づいた瞬間、状況の見え方は少し変わりませんか?
例えば、
- 一緒に考える
- 相談する
- 役割を分ける
- 時間を置く
といった選択肢が自然に浮かんできます。
これが全てを解決するとは限りません。
ただ、➍以降の流れが変わることは確実と言えるでしょう。
そうすれば自ずと思考の余白が生まれます。
選択肢の多さはプレッシャーではなく、相談時の材料になるでしょう。

6.まとめ
迷いが続いているとき、人は「正解さえ分かれば楽になる」と考えます。
けれど実際には、正解を知ることそのものが迷いを消してくれるわけではありません。
今回見てきたように、苦しさを生んでいたのは
- 決めなければいけない
- 自分の役割だ
- でも決められない
という流れの中で、余裕を失っていく構図でした。
そしてその構図を少し引いて眺めたとき、問題の中には本来「相手」や「目的」が含まれていたことにも気づきます。
構造が見えた瞬間、人は自然と思考の余白を取り戻します。
選択肢はプレッシャーではなく、使える材料に変わっていきます。
迷いが消える瞬間は、正解を知ったときではありません。状況の構造が見えたときです。
もし今、決められない状態にいるとしても、それは前に進めないという意味ではありません。
少し見え方が変わるだけで、動き方も変わり始めるのです。


