「決められない」から抜け出す技術─人生を動かすコミットメントとは─

「決められない」から抜け出す技術─人生を動かすコミットメントとは─

~ずっと迷ってしまうあなたへ~

何かを選んだり決めたりしなければいけないタイミングは、必ず起こります。
小さなことなら毎日、大きなことも人生に一度や二度ではありません。
その時に迷って「決められない」ことを、自分がダメだから、と責めていませんか?
決断力が無い、勇気が無い、自分に自信がないからだ、と。

そうではないのです。迷ったり悩んだりするのは、色んな人の気持ちや周りへの影響を無限に想像してしまう優しさからなのです。
そしてもう一つ、「先回りして周りの反応を読みすぎるクセ」や「正解を失敗なく選ぼうとする慎重さ」も重なって、決断が重く感じられてしまうのです。
自分の視点で決めることは出来なくはないけれど、そのために誰かが嫌な思いをするとしたら、損をするとしたら。
その想像が止まらなくなって迷い続けてしまうのではないでしょうか。

その優しさを責める必要はありません。あなたの大事な長所です。


優しさを長所として活かし続け、かつ、必要な場面で必要な選択・決断が出来るようになるために重要な「コミットメント」について、お話したいと思います。
これまで「べき思考」や「他人の目」、「正解探し」からの抜け出し方をお伝えしてきました。
その先にある最も自分らしい価値基準で行動するための必須アイテムです。

目次

1.なぜ決断はこんなに怖いのか?

決断を前にすると、胸の奥がざわつきませんか?
「もし間違えたらどうしよう」「後で後悔するかも」
そんな声が次々と浮かび上がり、前に進めなくなる。

決断や選択を前にして、どうして人はここまで迷うのでしょう。


誰か自分の代わりに決めてくれる人がいたらどんなに楽だろう、と思うことも少なくないはずです。
でも大人になれば誰も代わりに決めてくれたりしない。
そして「人」の代わりに今まで使って来たのが「正解」「他人の目」「べき思考」でしたね。
自分で決めるのが怖いからこそ、「正解」や「他人の期待」に判断を委ねてきたのです。
いわば責任を引き受けなくて済む「安全装置」として。

そこから抜け出すための方法も、過去3回で学んでいただきました。

◇正解探しをやめて、“自分の答え”を見つける方法 [https://note.com/keizenan/n/n4c8748de4259]
◇「~べき」をやめたら、自分が戻ってきた[https://note.com/keizenan/n/nd50e2357f999]
◇他人の目の支配から逃れて、自分を信じる力を取り戻すワーク[https://note.com/keizenan/n/n5a5df7b742ad]

これからは「自分が~したい」を軸に考えて判断して行動していくことこそがストレスを減らし自信を育て、望む未来への道を開いてくれるものと知ってくださっていますよね。
だけど、どうしても不安が消えない。
それは「選択・決断した後」に起きる状況への不安、ではないでしょうか。
自分が下した決断のせいで何が起きるのか、もし成功しなかったら、安全な選択で無かったら、失敗やミスに繋がったら。そのせいで何かを失うことになったら。
どんどん膨らんでいきます。これが解決できなければまた「べき思考生活」へ戻るかもしれません。

そうならないための「コミットメント」です。

惠然庵 にしおか
惠然庵 にしおか

2.コミットメントとは何か?

コミットメント、という言葉は中々聞き慣れないかもしれません。

  • 決断のたびに不安が出てくる。
  • 結果が怖くて、なかなか踏み出せない。

そんなときに欠けているもの「コミットメント」です。

コミットメント(commitment)とは、英語で「公約」「委託」「委任」「言質」といった意味です。
そして今回私がお伝えしたいコミットメントとは「決断の先の結果も、自分の裁量で扱える感覚」のことです。

何かを選んだり決めたり判断することへ気持ちが竦んでしまうのは、自分のそうした行為の結果への不安が強いから、ということが多いです。
ではもし、その結果への不安が無い、少ないとしたらどうでしょうか。
「思い切ってやってみよう」と、一歩踏み出す気持ちが湧いてくるのではないでしょうか。

事例を挙げます。
例えば古い知人から「100万円貸してほしい」と申し出があった、とします。
悩みますよね。いいよ、と即答できる金額ではありません。理由を聞いたり、いつ返してくれるのか、なども確認するでしょう。
それでも決断は難しいです。
ここで重要なのは「貸す」「貸さない」ではありません。
自分がどうしたいのか、をベースにした判断が出来るかどうか、です。

まず「貸す」寄りの気持ちが強いけど「貸すよ」と断言出来ない場合。

  • 返ってこなかったらどうしよう
  • もしかして騙されているのでは
  • 家族に反対されるかもしれない

ような不安が考えられます。


この不安に対し「この結果に対しても自分の裁量で対処できる」コミットメントが出来ていると、

  • 返ってこなかったとしても問題ない金額までなら貸せる、と交渉してみよう
  • 騙されているのかもしれない。だけど「知人を助けたい」という気持ちを優先させた自分を信じよう
  • 家族に批判されたら、自分なりの考えがあって貸したことを理解してもらえるまで説明しよう

といった「事後策」を思いつき、実践できるでしょう。

次に「貸さない」寄りの気持ちが強いけど「貸さない」と言えない場合。

  • 貸さなかったら「冷たい奴だ」と批判され、周りに言いふらされるかも
  • ケチな奴だと思われるかもしれない
  • ここで貸さないことで知人がもっと悲惨な状況になったら、私のせいになるのだろうか

のような想像をしているからでしょう。


これに対してコミットメントが出来ると、

  • 批判されたとしても受け入れよう。自分の金銭感覚では無理なのだから。
  • 知人には申し訳ないが自分には自分の生活がある。そちらを守りたいからこその決断だ
  • もしそうなったら気の毒だと思うが、それは知人の問題だ。自分に出来るとしたら公的機関の情報提供くらいかもしれない

という案が出てくるかもしれません。

いずれも「コミットメント」出来ていることで、自分の決断を後押しすることが出来るようになるのです。

3.コミットメントが身につくと、あなたの未来はこう変わる

コミットメントが身につくと、「決断できるようになる」だけではありません。
自分が選んだ道を、自分の足で歩けるようになるという、もっと深い変化が起きます。

これまで何度もあなたを苦しめてきた
「正解探し」
「他人の目」
「失敗への恐怖」
「べき思考」
こういった外側の価値基準との葛藤が消えていきます。
では実際、どんな変化が起きるのでしょうか。

①迷い続ける時間が劇的に減る

迷って迷って、頭の中でシミュレーションを繰り返し、疲れ果てる、といったことが減り、5分あれば方向性が決まるようになります。
大切にしている価値観が分かっていて、その価値観から最適な一手を選べるからです。

②決めた後に揺れなくなる

「これで良かったのかな……」
「もっといい選択があったんじゃ……」

そうした決断後の不安が、自然と弱まります。
なぜならあなたはもう「どんな結果が来ても自分なら扱える」という静かな確信を持つようになるからです。

③他人の目より「自分がどうしたいか」が基準になる

誰かの期待や評価に寄りかかって生きるのではなく、自分の基準で決めることへの安心感が育ちます。
「自分を裏切らずに生きる」という感覚が、ようやく手に入ります。

④失敗が怖くなくなる。立ち直りが早くなる

コミットメントがあると、失敗は「終わり」ではなく次に調整するための材料になります。
そのため、仮にうまくいかなくても立ち直りが早くなり、自分を責める時間が減り、行動のリズムが崩れにくくなります。

⑤人間関係のストレスが減る

「嫌われたくない」
「変に思われたくない」

こうした恐れの多くは決断後の結果への不安から生まれています。
コミットメントがあると、相手にどう思われるかよりも自分の選択の意味や意図を大切にできるようになるため、対人ストレスは大幅に減ります。

⑥小さな成功体験が積み重なり、静かな自信が育つ

コミットメントは、自分で選び、自分で扱う姿勢を育てるものです。
だからこそ、たとえ小さな選択でも「自分で決めて動いた」経験が積み重なり、結果として揺るがない自信が形づくられます。

⑦行動量が増え、人生の進む速度が上がる

「先に不安があるから動けない」という状態がなくなるため、自然と行動量が増えます。
その結果、

  • 仕事
  • 人間関係
  • キャリア
  • 挑戦

あらゆる領域で、人生が動き出す速度が明らかに変わります。

ここで一つ注意点です。
コミットメントとは「決断する勇気」ではなく、人生のハンドルを自分に戻す技術です。
誰かの基準でも、世間の正解でもなく、「私はこうしたい」という軸で生きるための、実践的なスキルです。

そしてそのスキルは、特別な人だけのものではありません。あなたにも必ず身につきます。
これから、その方法を一緒に深めていきましょう。

【図】コミットメントで変化するポイント7つ

4.コミットメントを育てるための本質的なステップ

ではあなたの中にコミットメントを育てるためのステップを簡単にご紹介します。

まず、何故決断や選択を前に迷ってしまうのか。これにはタイプがあります。それを探ってコミットメントの手がかりにします。

そしてコミットメントへの勇気を阻害する「自分が選択した結果への恐怖」の正体を探ります。ここをおさらいすることで、べき思考生活へ戻らないための予防線を作ることが出来ます。

そしてコミットメント、つまり「裁量感」を育てるための思考とはどんなものか、を学んでいただきます。
自分が何を大切にしているのか、状況を俯瞰し、次の一手をどうするか、という流れを知りましょう。

そして決め手となる「決断を恐れずに進む方法」をご案内します。分かりやすく3つのステップに分けました。

更に、自分で決断をした後のメンタルを整える、特に不安に対する対処法もご案内します。不安を不安視する習慣が抜けなければコミットメントは生かされません。大丈夫です、これは習慣化することが可能です。

そしてコミットメントをあなたの生活に定着させていくための仕組みを、仕上げとしてご紹介いたします。

5.本当にコミットメントを手に入れたい方へ

迷いがなくならない理由は、あなたが弱いからではありません。
コミットメントという「決断のあとを扱える力」をまだ学んでいないだけです。

この記事でお伝えしたように、決断とは「勇気」ではなく「技術」です。
そしてその技術は、一度身につけると一生モノの力になります。

  • もう正解探しに振り回されない
  • 決断後の不安に揺れなくなる
  • 他人の目より、自分の価値観で選べる
  • 行動量が増え、人生の進む速度が上がる
  • 自分を裏切らない軸で生きられる

こうした変化は、どれも偶然ではなくコミットメントが育ったときに必ず起きる「必然的な未来」 です。

もしあなたが今、
「もう迷う人生を終わらせたい」
「自分の意思で生きられるようになりたい」
「決断の不安から自由になりたい」
と感じているなら、次に進む準備は十分に整っています。

この記事は「入り口」にすぎません。
本編では、あなたが コミットメントを自分の力として根本から育てるための具体的なワーク・思考法・実践ステップ を、丁寧に順番にお伝えします。

あなたの人生のハンドルを、もう一度あなた自身の手に取り戻しましょう。
次のページでお待ちしています。

「べき思考からの脱却」シリーズ 第4弾

コミットメントが全てを変える

―迷いを力に変える決断の技術を育てる実践プログラム―

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