決断できない自分に自信が持てない
自分で決断できないことは、自信の無さや自己評価の低下につながりやすい問題です
決断する場面を避けたり他人の決断に従わなければいけないデメリットは後からやってくるからです。
決断するスキルは、決断のプロセスを知り、決断後の経過を予想することで身につけられます。
自分で決断できるようになって、意思表示できることのメリットを実感しましょう。
目次
決断力とは
選択肢を絞る
決断するためには、対象が必要です。
どんなに意志が強い人でも、100個ある選択肢の中から即座に1つを選び出すことは難しいです。
決められる人は、100個の中から相応しいものを絞り込むスキルが高いです。
状況を判断する
選び出した選択肢の中から、その問題に最適なものはどれか、を判断する能力です。
何を基準に判断するかは、状況によります。
- 自分にとって最適なもの
- 誰か他者にとって最適なもの
- 集団・組織にとって最適なもの
または
- 今すぐやるべきか
- 1か月後を見据えたものか
など時間の経過を考慮する必要もあるでしょう。
それ以外にも労力、金銭的コスト、難易度なども関係してきます。
これらを総合して決断します。
決断後の影響と対応範囲を見定める
何か決断を下した後に起きる反応や影響への配慮が必要です。
大流行したスポーツジムのCMの「結果にコミットする」の「コミットメント」です。
自分の決断によって、その後直接・間接的に起きる変化をある程度予想して備えるか、または起きたとき臨機応変に対応できるか。
いずれかを取るかは人によりますが、自分が対応する範囲も「決断」に含まれます。
つまり決断とは、『選択肢を決めて ⇒ その中から最適と思うものを選び ⇒ 決断後の影響と対応範囲を予想する』ことで実行されます。
決断出来ない理由
他の人の意見を優先させてしまう
決断の反対は「迷う」です。決められない状態ですよね。
何故決められないか。それは自分と同じように決断する必要に迫られている他の人の意見に必要以上に影響を受けてしまう時です。
決断とは生活の中で数えきれないほど繰り返されます。
- 何を着て出かけるか
- 電車の何両目に乗るか
- 昼食に何を食べるか
- 誰に最初にメールを送るか
- どの仕事から片付けるか
- 日用品を買い足す必要はあるか
- 何時にお風呂に入るか
一見他の人は関係ないと思われるようなことも、間接的に他者が関わってきます。
その時に「自分はこうしよう」と思うより先に「○○さんはどうするつもりだろう」を常に考慮するようになると、決断が遅れたり、出来なくなったりします。
決断後の影響が怖い
上述した「コミットメント」の話と関わってきますが、決断できずにいるとき、その後の影響に対する不安や恐怖が勝っていることがあります。
自分が決めたことは自分が全部責任を取らなければ! と強く思い過ぎていることで、ありとあらゆる影響を想像し、決断しかねてしまいます。
その不安を抱えるくらいなら、他の人に決断を委ねる、または同意して「共同責任」にしてしまうほうが安全だと考えます。
この決断方法は間違ってはいないでしょう。特に複数人での話し合いが必要な時、こうした立場をとる人は対立を減らす潤滑油のような役目を果たしてくれます。
しかし他者の意見に同調する理由が重要です。
不安や恐怖から逃れることだけが理由だと、続けるうちに意思表示出来ない自分への自信を失うことへつながってしまいます。
興味関心が薄い
どんな問題にも責任感を持って決断することは難しいです。それくらい、生活の中には決断の場面が溢れています。
面倒なわけでも逃げているわけでもなく、心底「どっちでもいい」と思うことに対して決断を下す労力を省こうとするのは自然な反応です。
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決断を下すプロセス
問題の定義
何を解決しようとしているのかを明確にします。問題や課題を具体的に理解し、目標を明確にします。
情報収集
問題に関する情報を集めます。関連するデータや事実、経験などを収集し、問題をより深く理解します。
選択肢を作る・選定する
収集した情報を元に、様々な選択肢を考えます。可能な解決策やアクションプランを洗い出し、リスト化します。
選択肢を評価する
各選択肢を評価し、それぞれのメリット/デメリット、リスクはどんなものか、を検討します。
選択肢が目標や制約条件にどれだけ適合するか、を判断します。
決断する
最終的な決断を下します。論理的な分析、直感、経験などを活用して、最適な選択肢を選びます。
特に強く働きかけるのは「過去の経験」です。成功体験はもちろん、失敗した経験から得た学びも作用します。
決断に必要な3つのスキル
問題解決スキル
何か決めないと先へ進めない、という状況があるときに「決断」の必要が生まれます。
問題分析とは「先へ進めるためには何が必要か」を考えるスキルです。
- 情報を集める
- 情報を仕分けする
- 必要なものを選択肢に変える
- 選択肢に重要度/優先度をつける
を行います。
コミットメント力(リスク管理)
決断をした後にどんな影響=リスクがあるか、をある程度予想するスキルが必要です。
予想するだけではなく、予想した影響・リスク・未来に対して自分がどう対応するか、どこまで対応するのが自分の役割なのか、役割を超えたものは誰が対応するのか・頼れるのか、などの見通しが必要です。
ここでポイントなのは「何もかも自分が責任を持とうとしない」ことです。
例えばうつ病の家族が「食欲がない」と相談してきたとします。
一般的に健康面を考えれば、何も食べないのは栄養不足が心配ですから、食べてほしいと考えますよね。
しかしうつ病や抗うつ薬の服用から食欲の減退はあり得る症状です。無理に食べさせることも出来ません。
家族は「(この人はバナナが好物だから)冷蔵後にバナナが入ってるから、お腹がすいたら食べて」と対応しました。これが家族側の「決断」です。
たとえこの後にうつ病の家族が「おにぎりが食べたい」といい出したり「バナナじゃなくてリンゴが食べたかった」と言い出しても、それは家族の責任範囲ではありません。この「おにぎり」や「リンゴ」まで用意しておかなければいけない、と考えてしまうと、上述のような決断が出来なくなります。
コミュニケーション力
決断を下すとき、完全に自分一人の影響範囲で済む問題ではないなら、他の人とのコミュニケーションは不可欠です。
他の人がどう考えているか、どんな状況にあるか、何を必要としているかは「情報収集」の一環です。
これらを含めた上で「選択肢の特定」へ進む必要があります。
逆に言うと、コミュニケーションを図った上で決断を下すことが出来ると、そのメリットは自分だけにとどまりません。他の人にも波及します。
それは自分への大きな自信となって跳ね返ってきます。
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決断力を鍛える方法
「自分には決断力が無い」と悩んでいる場合、決断するためのコツを覚えることで決断するスキルは確実にアップします。
3つのコツをご紹介します。
先に優先順位を考える
決断できず迷っている時、無数にある選択肢の中から即座に「最善」を選ぼうとしていることがあります。
決断しなければいけない時、何を最優先にしなければいけないか、の条件があるはずです。
- 急ぎなのか
- 慎重さか
- 他者の感情か
- コストか
優先順位にマッチするものから選択肢を並べ替えていきましょう。
それを繰り返すうちに、選択肢は2~4つくらいまで絞れてきます。
その中から選びましょう。
他の人より先に選択結果を伝える
他の人の意見に左右されやすいことを悩んでいる場合は、自分が最初に「○○にします」と決断結果を表明する練習をしてみましょう。
一度言ってしまえば引っ込めにくくなります。
自分の意思で決断することに慣れていない人におススメです。
ロールプレイしてみる
いきなり本番だと緊張してしまう、という場合は、自分だけ、または家族や友人と一緒にロールプレイしてみましょう。
ロールプレイとは「ごっこ」です。
「リーダーごっこ」「会議の議長ごっこ」「班長ごっこ」
など、自分が決断できず困ってしまった場面を思い出し、セリフのやり取りをしてみましょう。
自分の決断を言語化・セリフにして喋ってみると、意外な説得力があることがわかります。
声に出すことに慣れれば、本番でも「○○にします」がスムーズに言えるようになります。
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今すぐ出来る決断力を高める方法
自分の中で制限時間を設定する
通常、決断を下すときに「○分/○秒以内」のようなルールはありませんよね。
ただ決断が苦手な人は心の中で「早く、早く」と自分を急かしてしまい、それが焦りになってさらに決められなくなります。
ロールプレイしながら、自分が決断するまでの時間を把握しておきましょう。
30秒でも1分でもいいです。どれくらい考えれば決められるのか、を自分で知っておけば、焦ることも減っていきます。
他の人に「考えるから○分待って」と伝えることも出来ます。
影響範囲が小さいものから「自分が選ぶ」習慣を作る
いきなり仕事や公的な場面で決断力を高めることは難しいでしょう。それこそコミットメント出来るのか? という不安を膨らませてしまいます。
何度もお伝えしているように決断は「慣れ」が大きいです。
ならば、日常生活の中で、自分が選ぶ・決断する回数を増やしましょう。
夕食の献立を聞かれたときに「何でもいい」とか「あなたは何がいい?」ではなく、「○○が食べたい」と決めて伝えましょう。
他の人は時間ギリギリに会議室へ向かうとしても、自分は「早めに行って準備がしたい」と思うならそうしましょう。
アイメッセージで表明する
決断することが苦手な人には、「自分が意見表明することが他の人への押し付けにならないか」という不安を感じているケースがあります。
自分が他者の意見に影響されやすいからこその配慮でしょう。
聞いた人にとって押し付けと感じてしまうのは、「あなたは○○だから」のように主語が相手になっている「Youメッセージ」になったときです。
「私は○○だと思う」のように、自分を主語にして意思表明する場合、聞いた側も「この人はそう思うんだ」と、情報の一つとして受け取ります。それは押し付けではありません。
決断結果を伝えるときはアイメッセージを心がけてみましょう。
まとめ
- 決断力とは、「選択肢の限定」「状況判断」「決断後の影響の見極め」である
- 決断出来ない理由は「他者の影響」「コミットメントの不足」「興味がない」
- 決断のプロセスは「問題の定義→情報収集→選択肢の選定→選択肢の評価→決断」
- 決断に必要なスキルは「問題解決」「リスク管理」「コミュニケーション」の3つ
- 決断力は「優先順位を決める」「一番に結果を伝える」「ロールプレイ」で鍛えることが出来る
- 今すぐ出来るコツは「制限時間」「小さいもので練習」「アイメッセージ」の3つ
決断力のある・なしそのものが問題になることはあまりありません。
なぜなら特に「これだ!」と決めなくても、取る道が一つに絞られて行くことも少なくないからです。
ただ、どんな場面でも状況に流されることが続くと、「自分は本当はどうしたいのか」が分からなくなり、「自分だけだったらどうしたらいいのか」という不安が高まって、自分に自信が持てなくなります。
決断することは自分で自分の生活を形づくることと同じです。
自分がこうしたい、と思う姿が何かしらあるなら、決断するスキルを磨いていきましょう。
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