気分が落ち込んだ時の対処法 ②人間関係
気分が落ち込む時、という状況を招く理由として一番多いのは、やはり人間関係ではないでしょうか。
職場、友人、家族、恋人、ご近所さん。またはたまたま入ったお店のスタッフや他のお客さんなど。
人間関係で起きた出来事によって落ち込んだ時、その気分をどうやって取り扱えばいいか、を考えてみました。
1.どんな感情が湧き上がるか
①怒り
人間関係でのトラブルは、はっきりと構図が自覚できるものとそうでないものがあります。
誰が・いつ・なぜ・何をして起きたのか、がハッキリしている場合、怒りを感じやすいです。
それが他者へ向けられるか、自分へ向くかは、状況にも左右されるし、その人の性格にもよります。
感じた瞬間が一番強度が高く、時間が経つごとに薄れていく傾向があります。
ただし場合によっては憎しみや妬みなど、違う感情へ転換される恐れもあるでしょう。
②悲しみ
怒りのような強度はなくても、長く引っ張るのが悲しみです。
怒りはどこかにぶつけることで軽減させることも可能ですが、悲しみはただ抱え続けるしかない場合が多いでしょう。
長引くと孤独感や喪失感へもつながります。
③恐怖
どんな人が相手か、という点が、他の感情と違います。
立場(上司、教師、親など)はもちろん、他者に対して強く振舞う傾向がある人に対して起きやすいですね。
怒り同様、時間が経てば軽減する可能性はありますが、不安と合体して、今後の行動が制限されてしまう恐れがある感情です。
こうした感情が時間を経過するうちに「落ち込み」という大きな塊になって、自分自身を覆いつくしていきます。
2.落ち込んだ時の立て直し方:出口を探す
人間関係で気分が落ち込んだときは、抽象的で内向きの思考でいっぱいになってしまいます。
- 他のことを考えられない
- プラスな要素を拒絶、否定してしまう
- 繋がりを絶つ
など、どこに原因や理由を見出しているとしても、落ち込んだ気分の中に閉じこもるような状況になりがちです。
同じことをぐるぐると考え続け、出口が見つからなくなります。
ですから、「出口を見つける」ことが出来るか、がポイントになります。
グルグル思考の輪から抜け出られればいいので、必ずしもポジティブ・前向きである必要はありません。
出来ることの例としては、
- 気分転換
- リフレーミング
- 全く関係ないことをする
- 別の悩みごとや課題に取り組む
などがあるでしょう。
こんなことしていていいのかな、と、出口を探すことへ罪悪感を覚える人もいるかもしれません。しかし、ずっと考え続けても解決しなかったからこその「出口探索」です。
全く関係ないことを考えたりやったりしていると、気分が安定し思考が整理され、グルグルしていた時には思い浮かばなかったようなアイデアが出てくることはよくあります。
人間関係によって気分が落ち込んだ時は、自分一人の問題ではないだけに、あまり長々と落ち込みを引っ張りすぎると、他方面にも影響が出る恐れがあります。
かといって無理矢理自分の感情に蓋をすると、矛盾や葛藤を抱え、深刻なストレスになるリスクもあります。
気分がよくなったり解決策を探すことをダイレクトに求めることが出来ない場合は、まずはどんな方向でもいいのでグルグル思考からの出口を探しましょう。
3.明日のために心をメンテナンス
気分の落ち込みの原因となった相手と、明日もまた顔を合わせなければなりません。
相手がどういう行動に出るか、は、相手が決めることですから、こちらがコントロールすることは出来ません。
自分が出来ることとしては、損傷した自分のメンタルを少しでも回復させること、ではないでしょうか。
①拒絶された場合
- 自信を取り戻す:得意分野や趣味を楽しむ
- 他の繋がりを大事にする:他の人と楽しい時間を過ごしたり、SNSなどで誰かと繋がる
②孤独感
- 一時的なものだ、ということを自分に言い聞かせる
- 「独り力」を鍛えるチャンスと捉えて、単独行動を試す
③罪悪感
- 自分の立場からだけでものを見ず、相手の心情や第三者の視点を想像する
- 「自分が悪い」と決めつけることは正しい判断を阻害するので、偏りのない状況分析を心がける
そして何より、「犯人捜し」はしないことをおすすめします。
自分が犯人でも、誰か特定の他者であっても、「人」に原因を求めると結局は人間関係へ悪影響しか及ぼさず、落ち込んだ気分も変化しません。
理由を考えてしまうなら、環境や状況、タイミングなど、人間以外の、今後は変えられるかもしれない部分を注視してみましょう。
4.おまけ:「人間関係リセット症候群」とは?
最近インターネットなどで話題になるキーワードですね。
ある日突然、それまでの人間関係をすべて断ち、ゼロにしてしまう現象(?)を指すようです。
気疲れしてしまったり、プレッシャーに耐えられなくなったり、人を信用できなくなったり、または逆に自分に嫌気がさして、「無かったこと」にしてしまいます。
個人的には気持ちは分からなくないし、悪いことではないように思います。
無理をし続けてうつ病などへ発展し、最悪の事態を招くくらいなら、リセットしてやり直すのもアリかもしれません。
ただ、リセットする、といっても、アニメやマンガにあるように全く異なる世界に生まれ変わることが出来るわけではありません。そして人の行動範囲や生活範囲は、リセットし続けられるほど広くありません。
長い目で見れば、リセット癖がついて、他者と信頼関係を築けなくなり、自分を孤独へ追い込んでいく可能性のほうが強いのではないでしょうか。
『どうしても辛くなったらリセットできる』
と、頓服やお守り代わりに、いざという時の手段に取っておいて、実行する前に他の方法が無いか模索・試行してみましょう。
そしてもう限界、無理、と思った時に実行する分には、自分を守る有効な手段ではないかと思います。