思いを言語化する

思いを言語化する

思いとは、かなり幅広い概念です。
反射的に思い浮かぶ感情、感覚や、いつも考えている思考、信条、モットー、将来の夢ややる気、悩みなど様々です。

その中には、ずっと感じ続けているものの、ハッキリと言葉に出来ないものがあります。
得てして「ハッキリと言葉に出来ないもの」の中に、大事なものが隠れています。

言葉に出来ないストレスは、言語化することで解決しましょう。

1.言葉にしない習慣

ちょっとした不快さ、不満、イライラ、怒り、不安、焦りは、自覚されることなく見過ごされていきます。
イチイチ反応しているヒマが無い、というのが大きな理由だと思います。

ふとした瞬間に、お腹がぞわっとするような感覚に襲われた。でも体調不良ではない。
少し先の未来を想像し、「大丈夫だろうか」と不安を感じてしまったための反応です。
でもそれとは全く別に、目の前に取り組まなければいけない仕事や家事がある。
当然、「目の前の仕事」に集中しようとしますから、「ぞわっとした感覚」には目を向けません。
暫くすると、そんな不安を感じたことすら忘れているでしょう。

しかし「塵も積もれば山となる」で、全て見過ごし続けていると、いつしか大きな固まりとなって心の中に居座っていることに気づきます。
この固まりは、ずっとスルーし続けてきた不安がごちゃまぜになっているので、色んな問題を含んでいます。
簡単には解決しないので、手を付けるのが面倒になってしまいます。
そして放置してしまい、更に大きくなる、という悪循環にはまってしまいます。

見過ごすことが問題を大きくする図
見過ごす習慣が問題を大きくする

2.なぜ言語化する必要があるのか?

言語化、というと分かりづらいですが、つまり「言葉」にする、ということです。

人は、誰かに話したり表現したりしなくても、常に言語を使ってモノを考えています
ですから、言語化しないことには、解決どころか理解することも出来ないのです。
正体不明の塊が自分の中に居座って、結構なスペースを取っていたとして、そのままにしておけますか?
邪魔ですよね。どかしたい、小さくしたい、と思うのが普通です。
三次元の世界で巨大な落石を重機で破壊するような方法は、残念ながら心の世界にはありません。

どんな大きさで、硬さで、重さで、何で構成されているのか、を知って、除去または分解する方法を考える必要があります。
この工程の全てに「言語」が必要なのです。

言語化によって問題解決へつながる

3.モヤモヤを言語化するとどうなる?

言語化によるメンタルマネジメント
言語化はメンタルマネジメント

言語化すると、を与えることが出来ます。
形が分かると、分類することが出来ます。
分類すると、似たもの同士をグループ化するので、1つずつではなくまとめて対策を考えることが出来ます。
大きなグループから対処すれば、一気に塊を小さくすることが出来ます。
1つに対応すれば、2つ目以降は「コツ」が分かってきて、1つ目ほどの手間や時間がかからなくなります。

繰り返すことで、自分なりの言語化ルールと、分類方法、対処方法を見つけることが出来ます。

小さな不安・不満のかたまりである「モヤモヤ」は毎日増え続けます。
だから完全にゼロにすることは出来ないでしょう。
しかし、言語化が習慣づけば、対処不能なほど巨大化する前に対応することが出来るようになります。
それが「ストレス解消」であり、「メンタルマネジメント」です。
その最初のカギとなるのが「言語化」なのです。

4.どうやって言語化する?

言語化のルート

言葉にする以前に、突然沸いてきた気持ちを見過ごさないことが必要です。
つまり自分に対して「マインドフル」になることです。

忙しい生活を送っていると、つい目の前のことや自分が感じていることとは別のことに、思考が占拠されることはありませんか?
「マインドフル」とは今この瞬間に意識的であること、です。
その逆の「マインドレス」、意識が別のところへ行っている状態になっているのです。
これでは、突然沸いて来たけどなんだかよくわからない感覚に自覚的になることなどできません。

①まずはマインドフルに、自分の感覚や感情に対して意識を向けようとしてみましょう。
意識を向け続けることで、見過ごしていた感覚や感情の存在に気がつけるようになります。

②存在に気がついたら、自分が使いやすい言葉で表現してみましょう。
自分が理解出来ればいいのですから、他人の評価も理解も必要ありません。
「ぞわぞわ」「チクチク」「グルグル」「もわっ」などでもいいでしょう。

③繰り返すうちに、「昨日のぞわぞわと今のぞわぞわは種類が違う」と感じるかもしれません。
そうしたら、また別の表現を考えてみましょう。

幾つか溜まってくれば、それを「不安」「不満」「悲しみ」「興味」などに分類してみましょう。

④更に上級者になったら、日記やSNSなどで文章化することが出来ます。
ここまで来たら解決までもう一歩です。
文章になれば、「じゃあこれをどうする?」という思考に繋がります

⑤思考のレベルに達すれば、頭の中に「解決へのルート」が形成され始めます。
すぐには解決できなくても、ルートづくりに役立ちそうな情報を日々拾い集めるようになります。

正体不明の塊は、「これから対応する課題」に変化していきます。


マインドフルという感覚は、言葉では中々理解しづらいです。
試しに1分間だけ自分の呼吸を観察してみましょう。

吸って、吐いて、吸う時に鼻が冷たくなって、お腹が膨らんで、少しベルトがきつく感じて、空気がいっぱいになったら自然と口から吐き出されます。吐き出す時の空気が温かいとか、お腹が楽になっていく感覚、その時手足はどうなっているか、どんな音が聞こえるか、口は開いているか閉じているか、など。

普段は意識しない呼吸に意識を向けた、ということです。
繰り返していると、「見過ごしている感覚に意識を向ける」とはどういうことか、も分かってくると思います。
意識を向けることで、感覚や感情に振り回されることが減っていきます
これもまたやってみないと分からないので、わからないぞ!と思った方はどうぞ試してみてください\(^^)/

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